2007 Fiscal Year Annual Research Report
リアノジン受容体安定化による慢性心不全の分子標的療法の確立
Project/Area Number |
18390234
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
矢野 雅文 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (90294628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 健 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50363122)
池田 安宏 山口大学, 医学部, 講師 (00260349)
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Keywords | 筋小胞体 / カルシウム / リアノジン受容体 / 心不全 / 致死的不整脈 / 点突然変異 |
Research Abstract |
申請者は、骨格筋型リアノジン受容体(RyR1)のregion2の点突然変異部位に対応するRyR2内のダメイン{抑制型ドメインペプチド:抑制型DP:domain unzip→zipに修復}がRyR2の安定化作用のあるJTV519(K201)の結合部位であり、さらに抑制型ドメインペプチド自体にもこのRyR2の安定化作用を有することを見出した。この抑制型DPはJVA519と同様に不全心におけるCa^<2+>漏出の抑制効果があり、しかも不全心筋細胞のcell shortening、Ca^<2+>transientをほぼ正常化した。このことはRyR1/RyR2の点異部位を含むドメインはチャネル安定化を維持する以上で極めて重要な部位であるのみならず、RyR2内にチャネル安定化制御部位が内在されており、この部位は全く新しい心不全・致死的不整脈の治療ターゲットとなりうる可能性を示す。 また、申請者らは、CPVT患者におけるRyR2をknock-inしたマウス、(S2246L/+、R2474S)を作成し、これらのマウスはT患者と同様の、運動負荷誘発性bidirectional VTを発見し、その原因に拡張期Ca^<2+>sparkとそれに伴うDelayed afterdepolarization(DAD)がtriggerとなることを見出した。すなわちCPVT型KIマウスの心筋細胞では、拡張期Ca2+sparkを生じるSR Ca content闘値が低下(luminal Ca2+ に対する感受性増大)していることを見出した。これらの研究成果は、心不全やCPVTの発症メカニズムの解明とその根本的治療法の開発に貢献するものである。
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Research Products
(2 results)