2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390236
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎大学, 理事 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
加藤 丈司 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (20274780)
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
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Keywords | アドレノメデュリン / 血管線維化抑制 / 腹部大動脈瘤 / 高血圧発症 / 糸球体腎炎抑制 / 脳梗塞 / 治療応用 / 展開医療 |
Research Abstract |
腹部大動脈瘤(AAA)におけるAMの病態生理学的役割:AAA組織中の肥満細胞にAM免疫活性が観察され、AAAでは肥満細胞の数が増加していた。肥満細胞株とAAA組織より得られた線維芽細胞を用いて、線維化の指標としてコラゲナーゼ感受性プロリン取り込みを測定した。肥満細胞からのAMの産生と分泌が観察され、線維芽細胞との共培養下において、AMはコラゲナーゼ感受性プロリン取り込みを抑制した。以上より、AAA組織中の肥満細胞により産生されたAMが、線維化を抑制する可能性が判明した。高血圧の発症におけるAMの役割:正常血圧の地域住民を対象に、血中AM濃度を測定して、3年間の追跡調査を行なった。高AM群と低AM群の2群に分けて解析したところ、3年間の追跡期間中、高AM群からの高血圧発症(27.8%)は、低AM群(11.5%)より有意に高頻度であった。すなわち、AMが高血圧発症に対して抑制的に機能しており、内因性AMの機能を増強させる手段が、高血圧に対する治療応用につながる可能性を示唆している。 糸球体腎炎モデルを用いた検討:抗糸球体基底膜抗体糸球体腎炎ラットにおいて、メチルプレドニソロン(MP)は腎炎の進行を抑制した。MPを投与した腎炎ラットの糸球体では、AMの発現が増加しており、MPの抗腎炎効果の一部にAMによる腎炎抑制効果が関与している可能性が示唆された。陳旧性脳梗塞患者における作用:軽症の脳梗塞既往者を対象に、化学合成hAM(15ng/kg/min)を27時間持点滴静注した。AM投与により、血圧は低下し動脈コンプライアンスも改善した。脳血流は極軽度ではあるが低下し脳代謝も皮質領域では低下したが、基底核など深部領域の脳代謝は僅かながら有意に上昇した。血圧低下にもかかわらず、脳血液への影響は軽徴であり、陳旧性脳梗塞患者へのAM投与の安全性が確認された。
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Research Products
(6 results)