2006 Fiscal Year Annual Research Report
強力な昇圧作用を有した新規生理活性ペプチドの基礎的研究
Project/Area Number |
18390237
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 講師 (50204912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 丈司 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (20274780)
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助手 (20381098)
江藤 胤尚 宮崎大学, 理事 (10038854)
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Keywords | proangiotensin-12 / angiotensin / アドレノメデュリン / PAMP / 新規生理活性ペプチド / ラジオイムノアッセイ / ウシ副腎髄質 / 血管作動性物質 |
Research Abstract |
レニン・アンジオテンシン(RA)系は生体内の重要な昇圧系である。循環血中のRA系は、アミノ酸453個からなるアンジオテンシノーゲン(ATN)から、おもに腎臓より分泌されるレニンによってアンジオテンシンI(AngIとなり、アンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンII(AngIIに変換され、AngIIAT1受容体に作用し、血管収縮作用や昇圧作用を引き起こす。近年、血液中に循環しているRA系以外に、組織RA系の存在が指摘されている。我々は、組織でのAngII生合成機構を明確にするため、AngIIN末端近傍を特異的に認識するラジオイムノアッセイ(RIA)を確立した。このRIAと逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、各組織のアンジオテンシン関連ペプチドの分子種の定性を行った。その結果、ラット組織中のアンジオテンシンには、既知のペプチドであるAngIIAngI以外に別の免疫活性が認められた。この未知の免疫活性が最も多く存在していたラット消化管より、精製し、構造の決定を行っだ。その結果、このペプチドはAngIよりもC末側に2アミノ酸長い12アミノ酸からなるペプチドであり、proangiotensin-12と命名した。合成proangiotensin-12の血圧と血管収縮についての作用を検討した結果、proangiotensin-12はラットにおいて強力な昇圧活性をしめした。またカプトプリル、カンデサルタンによりこの昇圧作用は抑制された。このことから、proangiotensin-12の作用はACEによりAngII変換され、昇圧効果を惹起していることが示唆された。更にproangiotensin-12の生体内での存在を明確にするため、ラットproangiotensin-12のC末端近傍を特異的に認識するRIAを確立し、各組織と血中での分布を調べた。その結果、血中ではAngIとAngII主要な分子種として存在しているが、組織中では、ほとんどの組織でproangiotensin-12の濃度がAnglより高く、proangiotensin-12が組織RAS系の主要な分子種であることが明らかとなった。つまり、組織ではAngII前駆体として、proangiotensin-12が生成された後、AngII生合成される可能性が判明した。
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Research Products
(6 results)