2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンのプロテアーゼカスケードの網羅的解析による創薬基盤の開発
Project/Area Number |
18390252
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 公夫 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (40114772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 健一郎 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (10304990)
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Keywords | プロスタシン / プロテアーゼ / 高血圧 / ナトリウム / 腎 / 上皮型Naチャネル / アルドステロン |
Research Abstract |
研究実績の概要」 高血圧症は先進国の成人人口の約25%に発症し、脳卒中、心筋梗塞や末期腎不全の主要な危険因子となっている。自然発症高血圧ラットの腎臓を正常ラットに移植すると、正常ラットに高血圧が発症することや遺伝性食塩感受性高血圧症の1つであるLiddle症候群において腎皮質集合尿細管に存在する上皮型Naチャネル(ENaC)の活性型変異が発見されたことから腎臓におけるNa再吸収と高血圧症との間に強い因果関係が存在することが示唆されている。このENaCの活性はアルドステロンやバソプレッシンなどのホルモンにより厳密にコントロールされているが、分子生物学的なENaC活性化機構については不明な点が多い。 本研究の特色は食塩感受性高血圧症の原因遺伝子候補であり、また新規作用機序によるENaC活性化因子であるプロスタシンを中心としたプロテアーゼカスケードを網羅的に解析し、高血圧治療応用への分子基盤を解明することで、今年度は、プロスタシン変異体の作製としてプロスタシンのcDNAに変異を挿入し、セリンプロテアーゼとしての活性は阻害するが、標的分子とのaffinityは阻害しないような変異体を米国のKarl X.Chai博士(University of Central Florid)と共同ですでにで開発に成功した。現在さらにこの変異プロスタシンをbaitに、腎臓または肺、大腸のcDNAライブラリーをpreyとしてyeast two-hybrid法を施行し、定法に従ってライブラリーのスクリーニングを行う詳細な検討を加えている所である。
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