2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の分子メカニズムの解明と遺伝子・再生療法
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18390257
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20212540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 真貴子 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80420488)
村上 哲郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70403475)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / SOD1 / トランスジェニックマウス / 神経幹細胞 / 分化 / FGF2 / EGF |
Research Abstract |
今年度の研究の成果は、(1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデル動物である変異SOD1遺伝子(G93A)導入マウスを用いて、マウス腰髄における内在性の神経幹細胞の動態を解析した。BrdUの腹腔内投与後の腰髄(L4レベル)を調べたところ、新生した細胞と考えられるBrdU陽性細胞数及び、増殖した神経幹細胞と考えられるBrdU+nestin二重陽性細胞数が正常マウスより増殖していた。増殖した神経幹細胞の分布は、中心管周囲や白質に多く認めたが、灰白質に注目すると、ALSの病態の主座である脊髄前角により多く認められた。 (2)さらにALS脊髄での神経幹細胞の増殖、移動、分化を検討するため、髄腔内に内在性の神経幹細胞を増殖させる目的で神経栄養因子である、EGFおよびFGF2を持続的に投与し、神経幹細胞の動態を解析した。ALSモデルマウス腰髄において、EGF+FGF2投与により神経幹細胞はさらに増殖することが分かった。これらの結果からALSモデルマウスでは神経幹細胞の増殖、前角への移動が活性化しているが、EGF+FGF2投与によりさらに活性化されることを示した。 モデル動物における虚血脳で内在性の神経幹細胞が増殖し、虚血部位に移動することと合わせて、神経細胞死が起こっている中枢神経系において欠落した神経細胞を補おうとするかのように内在性の神経幹細胞が増殖することが示された。
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Research Products
(6 results)