2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおけるエネルギー代謝調節因子の探索とその機能解析
Project/Area Number |
18390268
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 信博 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (40200729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (20251241)
豊島 秀男 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (20197966)
高橋 昭光 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (70344893)
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Keywords | メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 転写調節因子 / エネルギー代謝 / 糖尿病 |
Research Abstract |
Sterol Regulatory Element-binding protein (SREBP)はLDL受容体遺伝子のプロモーター上のステロール制御部位に結合しその遺伝子発現を活性化する転写因子として発見され細胞内の脂質合成、特にステロール制御の調節因子として確立している。SREBPは、SREBP-1a,-1c,-2の3つが知られ、ファミリーを形成しており、各メンバーによって制御する脂質、その制御の様式、生理的意義が異なる.SREBP-2が元来のコレステロール代謝制御を担う一方、SREBP-1cは、脂肪酸、トリグリセリド合成(リポジェネシス)系の酵素群の転写活性化能を有し、エネルギー代謝臓器において栄養状態に応じてリポジェネシスを支配する。組織における過剰な脂肪酸やトリグリセリドの蓄積は、たとえば、肥満、脂肪肝、高脂血症など脂質代謝異常のみならず、脂肪毒性といわれるように細胞内のインスリン作用の障害を惹起させて糖尿病の病因につながるとして注目されている。我々は,この機序について従来の細胞外からの脂肪酸流入による機転のみならず、SREBP-1cを介した内因性脂肪酸合成も関連しているという仮説のもと、肝臓,β細胞をはじめ各臓器での脂肪毒性を、SREBP-1cの視点から検討を続けている。今回動物モデルをもちいた実験を通じてこの脂質合成転写因子SREBP-1cがインスリンシグナルやインスリン分泌に直接影響し、メタボリックシンドロームや糖尿病の発症に関連することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)