2006 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース刺激による、インスリン分泌顆粒の細胞膜ドッキングと膜融合の連関機序
Project/Area Number |
18390269
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Keywords | インスリン / 分泌顆粒 / 開口放出 / ドッキング / 全反射顕微鏡 |
Research Abstract |
インスリン顆粒の細胞膜ドッキングと膜融合の関係を直接観察するために全反射顕微鏡の系を確立した。すなわちインスリン-EGFP融合タンパク質をコードするアデノウイルスをマウス膵β細胞に感染し、顆粒を可視化し、細胞膜近傍の顆粒の開口放出をフラッシュ現象としてとらえる。この系を用いて、まず正常膵β細胞において、KClおよびグルコース刺激がどのように顆粒を開口放出させるのか、その違いを明らかにした。すなわち前者はドッキング顆粒のみ開口放出させるが、後者はドッキング顆粒のみならず非ドッキング顆粒を開口放出させた。これまで申請者らは、低分子量GTPase Rab27aとそのエフェクタータンパク質Granuphilinがインスリン顆粒の細胞膜ドッキングに関与することを示してきた。現在、Rab27a遺伝子の変異したashenマウス、Granuphilin遺伝子を欠損させたノックアウトマウスに由来する膵β細胞で同様の実験を行い、これらの遺伝子産物が刺激依存性の分泌過程にどのような役割を果たしているかを調べている。またRab27aタンパク質が細胞内で主としてGTP結合型として存在していることを見出しているが、その活性制御機構について解析を行っている。一方、Granuphilin遺伝子の発現に、膵β細胞の分化に関わる転写因子MafAが関与することを示し、本遺伝子の膵β細胞特異的な発現の分子基盤が解明された(Cell Metabolism発表)。
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Research Products
(4 results)