2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスによる代謝調節機序の解明と糖尿病における異常
Project/Area Number |
18390271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅野 知一郎 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70242063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫田 秀之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50376464)
藤城 緑 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50420211)
内島 泰信 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90272426)
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Keywords | インスリン / 代謝 / シグナル伝達 / プロテオミクス / 糖取り込み |
Research Abstract |
1.インスリン作用や糖代謝に重要な蛋白の修飾や結合蛋白の同定 インスリン受容体からのシグナル伝達は、IRS-1/2リン酸化→PI3-キナーゼ活性化→Aktリン酸化が主なる経路である。一方、c/EBPα、PPARα/γといった転写因子は詳細な機序は明らかでないが、インスリンシグナルや代謝の調節に大きく関わっている。また、calpain10は2型DMの原因遺伝子として同定されたが、その機序は明らかにされていない。インスリンシグナルに関連するタンパク群、代謝酵素群、エネルギー代謝調節に関わる転写因子群に対して、MEF法を適用し、蛋白複合体解析を行う。 II GLUT4含有小胞特異的蛋白の構造及び機能の解析 GLUT4及びGLUT1のC末端に、flag tagとmyc tagを逆に配置したMEFタグを取り付けた蛋白(GLUT4/1-flag-TEV-myc)をコードするcDNAを作成する。これを発現するアデノウイルスを作成し、3T3-L1脂肪細胞や培養筋肉細胞に発現させる。これらの培養細胞やマウス組織をhomogenizeした後、細胞膜分画と細胞質分画を除き、細胞内の膜分画(low density microsome分画)を遠心分離法によって採取する。これに、前述したMEF法の手順を、可溶化しない条件で用い、高純度のGLUT4/1含有小胞を精製する。得られたGLUT4/1含有小胞より蛋白を抽出し、2次元電気泳動を行い、GLUT4/1含有小胞それぞれについてプロテオームマップを作成する。また、LC-MS/MSを用いて各小胞構成蛋白を網羅的に同定すると共に、GLUT4/1含有小胞間の違いに関しては、同位体ラベル法を用い、詳細に検討する。これらから、パターン解析と各蛋白の同定結果を基に、筋肉と脂肪細胞の両方についてデータベース化を行う。
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