2006 Fiscal Year Annual Research Report
個体の寿命に影響する成長ホルモン-IGF-I系の役割とその機序の解明
Project/Area Number |
18390276
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千原 和夫 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (00107955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70301281)
置村 康彦 神戸大学, 医学部, 助教授 (30204100)
飯田 啓二 神戸大学, 医学系研究科, 助手 (80324911)
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Keywords | 成長ホルモン / 老化 / 寿命 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 酸化ストレス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
私たちはこれまで一貫して臨床および基礎研究の両面で、GHの分泌制御機構および作用の解明、GH作用異常が疑われる症例の発症機序の研究を行ってきた。本研究においてはこれまでにGHの標的遺伝子としてミトコンドリア関連遺伝子およびミネラルコルチコイド受容体を同定した(BBRC 2006)。GHと老化、臓器障害の関係を考える上で非常に興味深い。加えて、標的遺伝子として同定した2つの新規の生理活性物質およびケモカインを同定して解析を進めている。さらにサイトカインシグナルおよび新規生理活性ペプチドの調節機序、作用について研究を行ってきた(JBC2006,Regulatory peptide 2006)。さらに臨床研究においては、NASHを呈した成人GH分泌不全症のが6ヶ月のGH治療によってNASHが劇的に改善したことを報告した(Gastroenterology in press)。本症例においてはGH治療に反応して高脂血症および内臓肥満の改善とともに酸化ストレスおよび炎症性サイトカインの低下を認め、GHの代謝調節、老化、寿命における意義を理解する上で大変興味深い結果だった。現在GH欠損ラットを用いて中枢神経系におけるGH-IGF-Iシステムの意義と老化、寿命を規定している重要な要素である酸化ストレス、転写因子Foxo1の調節機構についてさらに詳細に解析を進めている。その他、成人汎下垂体機能低下症における治療と心血管病変の関係について(Endocrine J in press)、内分泌腫瘍のあらたな病態についての報告を行った(Endocrine J 2006,Internal Med 2006)。
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