2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規Bcr-Abl/Lyn同時阻害剤による難治性白血病治療法の開発
Project/Area Number |
18390283
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 平 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (80229286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 晋也 京都大学, 医学研究科, 助教 (80359794)
芦原 英司 京都大学, 医学研究科, 助教 (70275197)
|
Keywords | 慢性骨髄性白血病 / Imatinib / INNO-406 / Bafetinib / 遺伝子変異 / 耐性 / BCR-ABL / 分子標的治療 |
Research Abstract |
(1) IM耐性機序に対するbafetinib(INNO-406, NS-187)のの効果を増強するためどのような薬剤を併用すべきかをin vitroおよびin vivoで検討した結果、homoharringtonineが有用であることを見出した。 (2) 新規オーロラキナーゼ阻害剤AT9283のT315Iに対する効果の検討: 1. AT9283はQTc延長作用が弱く、従来のオーロラキナーゼ阻害剤MK-0457よりABL親和性が10倍強いことを明らかにした。 2. T315I変異を有する細胞株に対しても、AT9283はin vitroで有意に増殖を抑制することを確認した。 3. T315I変異を有する細胞株を移植された白血病マウスモデルで検討した結果、AT9283は生存期間を有意に延長させることを明らかにした。 (3) CMLに対する個別的治療アルゴリズムの確立 1. IM抵抗性を示すCMLに対して、種々の次世代分子標的治療薬が開発されているが、各々のもつ変異Ablキナーゼドメインに対する効果は異なる。Imatinib, dasatinib, nilotinib, bafetinib(INNO-406)の変異Ablキナーゼドメインに対する影響を同じ実験系で比較検討した結果を発表した。 2. 新規薬剤が奏効する遺伝子変異プロファイルの差異が明らかになれば、臨床的には遺伝子変異の種類により投与する薬剤をかえたり、骨髄移植などの治療方法までのオプションを的確に判定する必要があり、その個別的治療アルゴリズムを提唱した。 3. Ablキナーゼドメインの遺伝子変異を高感度で迅速に、かつ安価に検出する方法を開発した。本法は遺伝子変異の検索をPOC(Point-of-Care)検査として実施することを可能にし、今後外来受診時などの実臨床においてCMLに対する個別的治療アルゴリズムの確立に資するものと考えられる。
|
Research Products
(6 results)