2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄性白血病で欠失する7q責任遺伝子候補の発がんとDNA修復における機能の検討
Project/Area Number |
18390284
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 博也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (60243614)
安藝 大輔 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (50420500)
松井 啓隆 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (60379849)
本田 浩章 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40245064)
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Keywords | 7番染色体長腕 / AML / MDS / 微小染色体欠失 / マイクロアレイCGH法 / 中心体 / 紡錘糸 / 染色体散乱 |
Research Abstract |
7番染色体長腕(7q)領域には、古くより放射線による骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)の発症を抑制する遺伝子の存在が想定されてきた。この遺伝子を同定するため、われわれは微小染色体欠失を高感度に検出できるマイクロアレイCGH法を独自に開発した。このシステムを用いて、Miki、Kasumi、Titanと命名した新規遺伝子を単離した。これら三遺伝子は脊椎動物以外に相同遺伝子がなく、哺乳類になってからも遺伝子構造を大きく変えていた。既知遺伝子との相同性に乏しく、既知モチーフを持たないなど、進化上新しい遺伝子群であった。Mikiは分裂前期〜中期の中心体・紡錘糸に結合し、その発現抑制は染色体散乱や多核・小核細胞などMDSと酷似した分裂異常と核形態異常を生じた。KasumiとTitanはKu70/Ku80/DNA-PKcs複合体との結合が示され、DNA二重鎖切断時の非相同組換え断端結合(NHEJ)による修復に関与している可能性が示された。MDSは強い異型性を持つ点が通常(de novo)のAMLやCML、MPDなどと決定的に違う点である。異常分裂に伴う多核細胞や核形態異常は、MDSに高頻度に見られるだけでなく、細胞死(アポトーシスやいわゆるmitotic catastrophe)を引き起こして無効造血の原因となると考えられる。また、染色体不均等分配による-5/+8の付加異常や、多倍体化を通じて白血化にも関与すると考えられる。このように分裂期の異常は、異型性、無効造血、白血化というMDSの三主徴に深く関与している可能性が高い。引き続きこの三遺伝子の検討を促進していく予定である。
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Research Products
(7 results)