2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞チップを用いた新興感染症に対するヒト抗体の迅速作製法の開発
Project/Area Number |
18390288
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (20174287)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (60186210)
北島 勲 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (50214797)
本多 立 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (90377250)
|
Keywords | 感染症 / 抗体医薬 / 細胞マイクロアレイチップ / 抗体遺伝子 / リコンビナント抗体 |
Research Abstract |
感染症は抗生物質の発見、ワクチンの開発等で制圧せしめたかに思えたが、薬剤耐性菌の出現、エイズの世界的な広がり、アジアにおけるSARSやトリインフルエンザの感染の急激な広がりに見られるように、従来の治療法では制圧できない新興感染症が台頭してきており、近未来の人類の脅威になってきている。その中で、近年、標的特異的医薬としての抗体医薬が見直され、その特異的な作用機序から感染症に対する特効薬として注目を集めている。 我々は、最近、Bリンパ球が1個入る大きさのマイクロウェルが4.5万から23.5万ウェル、アレイ状に規則正しく配置されたチップ(マイクロウェルアレイチップ)を作製し、その各ウェルにBリンパ球を1個ずつ配置して抗原で刺激し、個々のBリンパ球の抗原に対する応答を解析できる細胞マイクロチップシステムの開発を行ってきた。 本年度はマイクロウェルチップの検出方法の条件をさらに検討し、検出感度、再現性の向上を図った。また、CCDカメラを用いた新しいマイクロアレイスキャナーの開発を行った。CCDカメラで抗原刺激後、10mSec毎、10分間、細胞蛍光強度を撮影し、その蛍光強度のデータをコンピューターで解析して、抗原刺激後の1細胞内でのCa濃度の変化を追うシステムを開発した。さらに、HBsワクチン接種した健常人ボランティアの末梢血から、細胞チップを用いてHBs抗原特異的Bリンパ球を検出し、抗体遺伝子を解析後、HBs抗原に特異的に結合するリコンビナント抗体を数個得た。また、バキュロウイルスに膜蛋白を発現する実験系を確立し、これを用いて膜蛋白抗原を細胞チップに利用できることを、HEL-トランスジェニックマウスの系で実証した。
|
Research Products
(10 results)