2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌間情報伝達機構の分子メカニズムの解明と感染症治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
18390294
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
舘田 一博 Toho University, 医学部, 准教授 (20236558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良和 東邦大学, 医学部, 助教 (90246695)
木村 聡一郎 東邦大学, 医学部, 助教 (60408870)
宮入 伸一 日本大学, 薬学部, 教授 (50209855)
堀川 学 サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (70270569)
福島 淳 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00181256)
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Keywords | 感染症 / 病原因子 / 治療法 / 細菌間情報伝達 |
Research Abstract |
本年度は、細菌Quorum-sensing機構をターゲットとする感染症治療の可能性について重点的に研究を展開した。これまでに、マクロライド剤およびその誘導体の再スクリーニングによりQuorum-sensing阻害活性が強い化合物をいくつか見出していたが、本年度はその有効性に関してマウス感染モデルなどで解析を行った。クラリスロマイシンの誘導体に関しては、マクロライド剤を製造している製薬企業との共同研究のもとにいくつかの誘導体を提供いただき解析したところ、14員環構造を有するマクロライド剤の中に強いQuorum-sensing阻害活性が存在する候補が見出された。 また、これまでに報告してきたアジスロマイシンのQuorum-sensing阻害剤としての有効性に関して、マウスを用いた人工呼吸器肺炎モデルで検討し、その有効性が改めて確認された。具体的には、緑膿菌気道感染ののちマウスに高酸素を与えることによる実験系において、緑膿菌に対して直接の抗菌活性を有しないアジスロマイシンを感染後に投与することにより、生存率の著明な改善を認めている(Kikuchi Y.Pul Pharmacol Ther,2009)。特にアジスロマイシンによる菌由来蛋白分解酵素産生の阻害が関与していることが示唆された。その他に、Quorum-sensing機構の感染病態における役割を解析する目的で、緑膿菌の産生するautoinducer分子をターゲットとするワクチン療法についても、3-oxo-C12-homoserine lactone分子だけでなく、新たにC4-homoserine lactone分子に対するワクチン療法の有効性について確認された。
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