Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00239857)
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10337347)
野崎 靖之 自治医科大学, 医学部, 助教 (90281295)
後藤 珠子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40364509)
桑島 真理 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30398515)
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Research Abstract |
自閉性障害と共通臨床表現型があるlanguage disorderの原因遺伝子であるFOXP2については,自閉性障害罹患者に有意に高頻度のalleleがあることを報告した(2006)が,FOXP2による細胞病態の解析を目的として,ヒトにおける変異(R553H)の細胞内局在を解析し,wild type遺伝子産物と異なり,細胞質に局在することを明らかにした。 細胞質内に局在し凝集する変異蛋白が基本病態であることを示唆した。 さらにヒト変異の(R553H)ノックインマウスにおいて,コミュニケーション障害を示唆する所見を明らかにし,小脳の構築が未熟性を示すことを明らかにした。自閉性障害の病変局在の重要な一つが小脳であり,自閉性障害との共通性を示唆した。 また,ヒト罹患者において多数の遺伝子の変異解析を行い,変異が同定された遺伝子(発表未)のノックアウトマウス3種を作成し,行動解析した。一部のマウスでは不安行動記憶の障害,小脳運動系の障害が明らかになり,自閉性障害の形質の一部を共有する都考えられ,遺伝子発現解析に供しうると考えられた。変異が同定された遺伝子は,脳に特異的に発現し,その塩基配列は種を超えて保存されており,変異部位は,特定の機能部位に集積していた。これらのマウスに関して,遺伝子発現解析を行い,ヒト罹患者血球細胞で同定された発現異常遺伝子と共通遺伝子を抽出する。 これらの細胞内変異蛋白の局在,変異同定遺伝子,モデルマウスにおける形質,は,原因不明である自閉性障害の分子機構について,新たな知見を与えるものであり,障害分子機構の修復に関連する重要な情報を提供すると考えられる。
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