2008 Fiscal Year Annual Research Report
自閉性障害における遺伝子発現プロファイリングによる共通分子機構の解析
Project/Area Number |
18390301
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
桃井 真里子 Jichi Medical University, 医学部, 教授 (90166348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00239857)
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10337347)
野崎 靖之 自治医科大学, 医学部, 助教 (90281295)
後藤 珠子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40364509)
桑島 真理 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30398515)
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Keywords | 自閉症 / CADM1 / secretin受容体 / FOXP2 |
Research Abstract |
自閉性障害の分子病態の解明を目的として、原因遺伝子変異の解析を行うと同時に、末梢血における遺伝子発現プロファイルを解析し、自閉性障害と関連する末梢血指標の抽出を行った。遺伝子変異解析は、シナプス関連タンパク、受容体タンパクを中心に解析を進めた。 シナプス関連タンパクとしては、接着タンパクの1つでありシナプスに特異的に発現するCADM1にC739A(H246N)とA755C(Y251S)を検出した。1家系では同胞の自閉性障害罹患男児にも検出され、1家系では同胞の自閉性障害女児にも検出された。ヒト変異遺伝子をC2C5細胞に導入し、変異タンパクの動態を解析することで、変異タンパクの細胞膜上への輸送不全と分解が検出された。このことは、シナプス関連遺伝子の変異によって、接着タンパクのloss of functionが病態の基本である可能性と、同時に、膜上受容体の発現に変化を生じうるgain of functionの分子病態が生じる可能性を示唆した(2008)。Secretinは治療にも使用され、言語能力改善の報告もあるが、secretin、及び受容体には、変異は同定されなかった。しかし、Secretin受容体欠損マウスが社会性障害を示し、シナプスの可塑性不全を呈することを示し、GPCR群の発現は自閉性障害の病態と関連することが示唆された(2006)。 患者末梢血の遺伝子発現では、GPCR群、DLX5が高い発現を示す傾向があり、発現低下の病態の補完である可能性を示唆した。
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Research Products
(3 results)