2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の分化誘導とエピジェネティクス機構(クロマチン調節機構)に関する研究
Project/Area Number |
18390302
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 孝雄 Keio University, 医学部, 教授 (80171495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30234743)
三橋 隆行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80338110)
米元 純三 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 副センター長 (30072664)
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Keywords | エピジェネティクス / 大脳皮質発生 / 神経前駆細胞 / マウス / 細胞周期 / アセチル化 |
Research Abstract |
大脳皮質を形成する神経前駆細胞の細胞周期調節機構に、エピジェネティクス機構、特にクロマチン構造を制御するヒストン脱アセチル化酵素が果たす役割を解明する。 平成18年度の研究から、神経前駆細胞の細胞周期が進むにつれて脱アセチル化酵素Sir2の発現量が減少し、その結果p27Kip1遺伝子をはじめとしたサイクリン依存性キナーゼ抑制遺伝子(CDKl)のプロモータ配列が解放される可能性を明らかにした(平成18年度実績報告書参照)。そこで本研究ではドキシサイクリン(DOX)存在下でtetracycline responsible element配列(TRE)下流の遺伝子を強制発現可能な逆Tetトランス活性化因子蛋白質(rtTA)と神経幹細胞特異的プロモータである中間径フィラメントnestin遺伝子intron ll promoterとを組み合わせSir2を神経幹細胞で時期特異的に強制発現可能なマウスの作成を試みた。 まず、TRE配列の下流にSir2遺伝子を挿入した遺伝子断片を持つトランスジェニックマウス(TRE-Sir2)を作成した。本研究室に導入済みであるトランスジェニックマウスneslin-rtTAは神経幹細胞特異的にrtTAを発現する。このnestin-rtTAと得られたTRE-Sir2 5ラインとをそれぞれ交配し、胎生7日以降の妊娠マウスにDOXを経口投与、両遺伝子を持つマウスのうちSir2を強制発現可能なラインを選択しようと試みた。しかし、導入遺伝子由来の蛋白質・mRNAをともに解析したが、DOX投与量の増量、投与時期・期間の調整にも関わらず、DOX投与による強制発現可能なラインを見つけることができなかった。
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