2008 Fiscal Year Annual Research Report
CD200陽性バルジ細胞を用いたヒト毛嚢再生の試み
Project/Area Number |
18390315
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大山 学 Keio University, 医学部, 講師 (10255424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90212563)
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10202988)
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Keywords | 皮膚生理学 / 再生医学 / 毛嚢 / 皮膚幹細胞 / バルジ / 毛乳頭 / 組織再構成 |
Research Abstract |
研究最終年度となる平成20年度は、ヒト由来CD200バルジ細胞を主とする毛嚢ケラチノサイトと、毛誘導能を最適化した培養ヒト毛乳頭細胞を免疫不全マウスに混合移植し、ヒト毛嚢の再構成を試みた。前年度の検討により、CD200陽性バルジケラチノサイトは継代培養後も高い増殖能を維持することが示されたが、その後、継代ごとに分化が進むことが判明した。効率の良い毛嚢再構成には、極力未分化の継代数の少ない細胞を用いるべきだが、ヒト頭皮検体から採取可能なCD200陽性細胞は限度がある。そこで、毛嚢再構成実験系の種類により継代数の低い(2-3継代)CD200陽性細胞のみと、CD200陽性細胞の含有率を高めた毛嚢峡部由来ケラチノサイトを使いわけることとした。毛乳頭細胞については、前年度より引き続き、我々が同定した毛誘導能関連遺伝子の発現をモニタリングし、その生物学的特性を維持する培養条件の検討を続けていたが、WNTシグナル系などの毛嚢発生に重要な役割を果たすシグナル伝達系を活性化することにより、現時点では毛誘導の維持に最適と考えられる培養条件を確立することができた。以上によりヒト毛嚢再構成のための材料が最適化された。こうして準備したCD200バルジ細胞に富むヒトケラチノサイトと、毛誘導能を最適化した培養ヒト毛乳頭細胞を混合し、ヌードマウスの背部に植えたシリコンチェンバー内(チェンバー法)、あるいは皮下組織内(パッチ法)に移植、または、マウスの無毛部皮膚片の表皮真皮境界部に混合細胞を挟み皮膚片ごとヌードマウス皮下に移植(サンドイッチ法)し、ヒト毛嚢再生を試みた。各手法のうち、パッチ法で頻度こそ低いが毛嚢類似構造を得ることができた。現在、再現実験を試みている。本研究の成果はヒト毛嚢再生実現に向けての一助となると考えられる。なお、本研究で確立された毛乳頭細胞の培養法を特許出願した。
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Research Products
(15 results)