Research Abstract |
生体発光,磁気共鳴融合画像法の質的向上のため,マウス固定台の改良,MRIの歪み評価用三次元格子ファントムの改良,MRIの傾斜磁場システムの強化とこれを背景とした繰り返し時間の短縮を行った。各種画像法で腹部の非特異的高信号が目的信号の検出を妨げることがあり,蛍光画像については精製エサが有用なことを示した。MRIでもエサの改良で消化管内信号を下げられるという予備的データが得られ,特に三次元表示に貢献することが示唆された。また,先にGd-BOPTA皮下注の肝MRIにおける有用性を示したが,Gd-EOB-DTPA皮下注でより強い肝増強効果が得られることを明らかにした。従来使用していた血液腫瘍モデルでは病変は多発するが,ルシフェラーゼ発現大腸癌細胞を用いて肝内に少数の病変を有するモデルを作成し,画像融合の精度評価に有用なことを示した。生体発光画像法では通常基質を腹腔内投与するが,時に腸管内注入を生じて信号が得られない。基質を皮下注することで,腹腔内投与とよく相関する信号を安定して得られることを示した。腹腔内投与では,腹膜播種や脾臓病変を過大評価することも明らかになった。血液腫瘍モデルマウスに亜致死線量の全身放射線照射を行い,生存期間の延長を得た。発光信号は照射直後は増加するものの,一時低下し,その後再度増加した。照射線量に関わらず同等の全身信号強度で死亡すること,照射後早期の信号量と生存期間はよく相関すること,効果の線量依存性は生存期間より信号量の方が明瞭なことから,治療効果の画像評価の有用性が示唆された。培養細胞の放射線照射直後には,生細胞1個当たりの発光は増加し,マウスに照射した直後の信号増加は必ずしも生細胞数の増加を意味しないと考えられた。
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