2008 Fiscal Year Annual Research Report
各種疾患におけるカチオン化ゼラチンを用いた経カテーテル治療法の開発
Project/Area Number |
18390336
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
福山 直人 Tokai University, 医学部, 准教授 (50349338)
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Keywords | カテール治療 / 肝細胞癌 / 脳梗塞症 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発した遺伝子導入技術を応用し、難治性疾患に対する新たなカテーテル治療を開発することが目的である。そのため、本年度はラット肝細胞癌モデル、ラット脳梗塞モデル及び、ラット急性心筋梗塞症モデルを用いて検討を行った。 1.肝細胞癌における検討 疾患モデルの作製は、アメリカのベスラ社より輸入したコリン欠乏食を与えるモデルおよび、ジエチルニトロソアミンを腹腔内に投与したモデルを利用した。上記動物実験モデルでは、薬剤投与後16週までに全例で、肝細胞癌が発現することが経時変化的に行った超音波検査で確認できた。 開腹し、経肝動脈的にゼラチン粒子を投与することにより、肝細胞癌の発育は抑制されることが、超音波検査所見上確認できた。また、AFP(α・fetoprotein)染色やGST-P染色を行うことにより、免疫組織化学的にも腫瘍の発育が抑制することが確認できた。現在、その有効性のメカニズムを検討中である 2.脳梗塞および急性心筋梗塞における検討 脳梗塞症モデルの作成は、ヌードラット(6週齢、♂)を利用し、右総頚動脈と右中大脳動脈を永久結紮するモデルを利用した。急性心筋梗塞症モデルはの作成はヌードラット(6週齢、♂)を用い、冠動脈前下行枝を永久結紮するモデルを利用した。いずれのモデルにおいても、経カテーテル的に幹細胞を投与することにより、組織学的に治療効果が認められることが明らかになった。 本研究により、経カテーテル的にゼラチン粒子や幹細胞を投与することにより、肝細胞癌、脳梗塞症や急性心筋梗塞症などの難治性疾患の治療として有効であることの基礎的な検討が終了し、今後の臨床応用に繋がる有意義な検討となった。
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Research Products
(10 results)