2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体型検出器およびダイバージングホールコリメータを用いた超高分解能SPECT
Project/Area Number |
18390337
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
尾川 浩一 法政大学, 工学部, 教授 (00158817)
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Keywords | 半導体形検出器 / SPECT / ダイバージングコリメータ / 超高分解能イメージング / モンテカルロシミュレーション / ガンマ線 |
Research Abstract |
本研究ではSPECT装置の空間分解能の問題を抜本的に解決するために、常温で使用可能なCdTe半導体型検出器を用い、これに視野拡大可能なようにダイバージングコリメータを試作、装着し、超高分解能形SPECT装置の有効性を検証する。研究は以下のように進められた。 まず、シミュレーションから提案手法の有効性を検証するために、ダイバージングコリメータを用いた場合のガンマ線のデータ収集がどのようになるかを、モンテカルロシミュレーションで検証した。シミュレーションでは、円筒などを組み合わせた単純なファントムおよび実際の脳の形状を用いたファントムなどを用いた。このシミュレーションによって、計測できるカウントと画質の関係、ダイバージングあるいはパラレルホール形のコリメータの使用による空間分解能の劣化を定量化した。 次に、このプログラムを用いてコリメータの仕様を決定した。コリメータの仕様に関しては、空間分解能、感度、拡大率などを総合的に判断して、2種類のコリメータの形状を決定し試作に入った。検出器の画素サイズが0.5x0.5mmなので、コリメータの基本的な孔の大きさは0.3x0.3mmであり、隔壁厚を0.2mmとするように設計した。コリメータは0.1mm厚のタングステン板に対して位置と大きさの異なる孔をエッチング処理によって開け、これを積み重ねることで実現させた。 このようにして製作したコリメータを半導体検出器に非接触で精度良く位置あわせするための治具を考案して、これを製作した。この治具でコリメータの種類を取り替えながら、種々の実験ができる環境が整った。このシステムを用いた実験は、3月に開始されたばかりであるが、概ね良好なSPECT画像が再構成されており、基礎実験を積み、精度良くコリメータの孔と検出器の画素を一致させることで、高い空間分解能の画像が得られると考えている。
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Research Products
(6 results)