2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390339
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤盛 啓成 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50238622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昌史 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (50400453)
関口 悟 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20312580)
川岸 直樹 東北大学, 病院・助手 (00333807)
土井 秀之 東北大学, 病院・助教授 (90188839)
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Keywords | 膵島移植 / 重症糖尿病 / 異種移植 / IBMIR / グラフト障害 |
Research Abstract |
ヒト同種膵島移植は、2000年のエドモントンプロトコール確立以来、魅力的な治療法として世界的な注目を集めてきたが、ドナー不足という現実を一層際立たせる結果となった。この深刻なドナー不足を解消する有力な方法として異種膵島移植の臨床応用が切に望まれてきたが、特有の免疫学的バリアーであるInstant Blood-MediatedI nflammatory Reaction (IBMIR)に阻まれ、臨床的治療法として確立するまでには至っていないのが現状である。 今回、これまでに我々がIBMIR抑制効果を見出したLow Molecular Weight Dextran Sulfate (LMW-DS)を、強力な抗サイトカイン作用を有する吸入麻酔薬の一種であるIsofluraneと併用する事により、pre-clinicalモデルであるブタからサルヘの大動物膵島異種移植実験において膵島グラフトの生着が促進される事を確認する事ができた(The 3rd symposium of Korean Society of Islet Transplantationおよび第10回日本異種移植研究会シンポジウムにて発表、現在論文投稿中)。更にLMW-DSを臨床応用する際に重要となる血中濃度の指標としてAPTTの測定が有用である事も本研究において判明した。LMW-DSは至適濃度範囲においてはレシピエントやグラフト膵島へは有害な作用を示さず、安全に使用し得る事が示唆された。大変興味深い事に、LMW-DSによりIBMIRのみではなくTリンパ球のグラフト膵島への浸潤も抑制される事が判明した。この事実は、効果的に原始免疫反応を制御する事により、それに引き続き起こる特異的免疫反応も抑制し得る事を如実に示している。
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Research Products
(5 results)