2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌抑制遺伝子PROX1における新しい癌進展機構:RNA編集と癌
Project/Area Number |
18390345
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 肇 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (50362520)
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Keywords | 癌 / RNA / ゲノム |
Research Abstract |
がんは一般的に遺伝子の病気と言われ、ゲノムDNAの変異によって生じるという概念が確立されている。我々は、リンパ管関連因子のひとつ転写因子PROX1の解析中、PROX1ががん抑制遺伝子として働いていることを見出した。また、PROX1の変異は、ゲノムDNAでは見られないにもかかわらずmRNAのレベルで生じていることを発見している。本研究では、ヒトがんにおいて、PROX1のRNA変異が本当に起こっているのかをいくつかのがんで検証した。膵臓がん、食道がんにおいてPROX1遺伝子にRNA変異がおこっていることを数十例ずつのヒト標本において調べた。肝臓がん、肺がんなどRNA変異がおこっていない例も確認している。1)in vitro実験:変異型のPROX1遺伝子を含むexpression vectorを作成し、膵臓がん細胞株などに導入する。変異PROX1による、dominant negative効果、細胞増殖能、tranformationに対する影響、invasion、などをアッセイした。コントロールとして正常PROX1を用いて、PROX1のがん抑制遺伝子としての機能もあらためて評価した。2)in vivo実験:変異型PROX1および正常型PROX1をtet-inducibleに細胞株に導入した。それら細胞株をヌードマウスに移植し、細胞増殖および転移に及ぼす影響を調べた。3)PROX1遺伝子によって調節される遺伝子群をmicroarrayによって調べた。PROX1タンパクが結合するDNAモチーフは既にわかっているので、luciferaseアッセイによって確認した。4)変異mRNAを簡便に検索できるように、shifted termination assayをmodifyした方法を確立した。
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