2007 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェント型バイオナノカプセルによる外科領域における新治療薬の開発
Project/Area Number |
18390352
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 政和 Keio University, 医学部, 准教授 (50142419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20216261)
菅家 大介 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00365272)
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Keywords | HBs抗原 / L粒子 / DDS / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
HBs抗原を結合させたMPCポリマーにパクリタクセルを封入してヒト肝細胞癌に対して特異的にin vitroで殺細胞効果を示すことを昨年度の実績として報告したが、今年度はヒト肝細胞癌とヒト扁平上皮癌細胞株をヌードマウス皮下に移植し腫瘍を形成した実験モデルでヒト肝細胞癌特異的に抗腫瘍効果が認められるか検討した。5日間連日マウス腹腔内にHBs抗原結合パクリタクセル封入MPCポリマーを投与すると、ヒト肝細胞癌移植腫瘍では、5例中2例で完全に腫瘍が消失しかつパクリタクセル封入MPCポリマーを投与したものに比較して有意に腫瘍重要が減少してたが、そのような効果はヒト扁平上皮癌細胞株では認められなかった。体重減少などもHBs抗原結合パクリタクセル封入MPCポリマーを投与した群の方が軽微であった。 Hbs抗原L粒子とアドリアマシンを封入したリボソームを融合させることによりアドリアマシンが封入されたHBs抗原L粒子の作成が可能で、in vitroで投与するとヒト肝細胞癌特異的な殺細胞効果が認められた。 IL-2を結合させたMPCポリマーにパクリタクセルを封入して、IL-2高親和性受容体を発現しているadult T cell Leukemia細胞とIL-2高親和性受容体非発現癌細胞株に、in vitroで投与するとその殺細胞効果はadult T cell Leukemia細胞のみで認められた。 また、混合リンパ球試験でヒトリンパ球を活性化させてIL-2結合パクリタクセル封入MPCポリマーを投与すると、著明なとトリンパ球に対する殺細胞効果がみとめられた。
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