2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨床膵島移植成功へのブレイクスルー:NKT細胞を標的にした新規治療法開発
Project/Area Number |
18390354
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安波 洋一 福岡大学, 医学部, 助教授 (00166521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 昌彦 福岡大学, 医学部, 助手 (90389354)
笠 普一朗 福岡大学, 医学部, 助手 (30279286)
波部 重久 福岡大学, 医学部, 講師 (70037430)
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Keywords | 糖尿病 / 組織・細胞 / 膵島移植 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
膵島移植の現在の最も重要な課題は一人の糖尿病レシピエントの治療成功に2-3回の膵島移植、すなわち2-3人分のドナー膵臓を必要とする事が挙げられる。この問題に関して、先の研究で我々は生着に伴う移植直後の障害に着目し、ナチュラルキラーT細胞が移植膵島障害に必須の役割を担っている事を見出した。更には膵島移植局所(肝臓内)に好中球が集積し、NKT細胞依存性に炎症性サイトカインを産生し膵島障害を惹起していることが明らかになった。本研究では、我々が見出した移植早期膵島障害のメカニズムに基づき、NKT細胞を標的にした、臨床応用可能な移植後膵島障害を制御する新規治療法を開発することを目的にし、以下の結果を得た。 #1.NKT細胞機能に関与する血液凝固関連生理活性物質の検索 凝固作用あるいは抗凝固作用を有する血液凝固関連生理活性物質がNKT細胞を介した移植後膵島障害を増強あるいは軽減する作用を有するか、マウス膵島移植モデルでスクリーニングを行った。その結果NKT細胞機能を抑制する幾つかの候補物質を見いだした。現在、詳細を解析中である。 #2.炎症性サイトカインの役割解析 NKT細胞自身が炎症性サイトカインを産生、またNKT細胞依存性に活性化される肝内集積好中球が炎症性サイトカインを産生する事を考慮し、炎症性サイトカインに対す抗体の効果を検討した。その結果、抗インターフェロンγ抗体、抗TNF-α抗体、IL-1β抗体の投与で移植膵島障害が制御でき、マウスでは1匹のドナーより2匹のレシピエントへの膵島移植が実現できた(Transplantation, in press). 動物実験で得られたNKT細胞を介した移植膵島障害制御法が臨床応用できるかどうかを検証するために、外科的切除ヒト肝組織より単核球を単離し、NKT細胞を含めた解析を開始した。
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Research Products
(3 results)