2008 Fiscal Year Annual Research Report
臨床膵島移植成功へのブレイクスルー:NKT細胞を標的にした新規治療法開発
Project/Area Number |
18390354
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安波 洋一 Fukuoka University, 医学部, 教授 (00166521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 昌彦 福岡大学, 医学部, 助教 (90389354)
松岡 信秀 福岡大学, 医学部, 助教 (40461503)
波部 重久 福岡大学, 医学部, 講師 (70037430)
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Keywords | 膵島移植 / インスリン依存糖尿病 / HMGB1 / NKT細胞 / IFN-γ / 好中球 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
膵島移植の現在の最も重要な課題は一人の糖尿病レシピエントの治療成功に2-3回の膵島移植、すなわち2-3人分のドナー膵臓を必要とする事が挙げられ、今後の膵島移植の発展にはこの問題の解決が必須となっている。先に我々は移植後早期(24時間以内)に発現する移植膵島障害の制御によりone donor to one recipientの膵島移植を達成できることをマウス実験系で明らかにした。その機序としてNKT細胞を介した好中球からのIFN-γ産生により移植膵島が障害されることが判明した。平成20年度研究はその上流経路としてNKT細胞活性化機序の免疫学的メカニズムを明らかにした。その結果、敗血症で致死因子として近年注目されているHMGB1が炎症性サイトカインとして移植膵島障害に必須の役割を担っていることが判明した。特筆すべきは膵島自身が豊富にHMGB1を含有し、そのHMGB1が移植後に移植部位である肝内に放出され、自然免疫(炎症)反応を惹起し、移植膵島を破壊するメカニズムが明らかになった点にある。今回の知見は今後、臨床膵島移植でone donor to one recipientの達成に向けて、臨床応用可能な新たな移植膵島障害制御法の開発に極めて重要な基盤情報となる。更に前臨床実験としてサルを用いて移植部位の検索を行い、検討中である。また、外科的切除肝臓より単核球を単離し、ヒト肝臓免疫担当細胞の解析を行った。特にHMGB1刺激で各細胞集団がどのように反応するか、現在検討中である。
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Research Products
(8 results)