2008 Fiscal Year Annual Research Report
受容体を標的にしたリガンドートキシン産生細胞をマイクロカプセル化した新規抗癌治療
Project/Area Number |
18390359
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小田 竜也 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20282353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正田 純一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90241827)
野口 雅之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
近藤 匡 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00375495)
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Keywords | マイクロカプセル / 癌治療 / c-Met / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
本研究は癌表面のレセプターを標的とする会子(=リガンド)に、強力な殺細胞効果のあるトキシンを融合させたもの(=リガンドートキシン)により高い抗癌治療効果を目指した。本研究では、多くの腫瘍細胞表面に高発現しているレセプターであるc-Metを標的として、そのリガンドであるHGFのc-Met結合部位(=NK1)に緑膿菌外毒素(Pseudomonas Exotoxin=PE)を結合させた新規の抗癌融合蛋白(=NK1-PE)の開発を行った。 H18年度に作成したpGEX-KGプラスミドにNK-1とPEのみを導入したコンス.トラクトを構築し発現・回収・精製を試みたが、全く収量が上がらず実験に使えるだけの量を回収することができなかった。そこでH19年度はGSTタグをつけたプラスミドを新たに作り直した。さらに、発現誘導物質(IPTG)を低い濃度(0.1mM)で添加し、室温で発現を誘導することにより可溶性で発現させました。バッチ法でグルタチオンセファロースに結合させ、そのままトロンビンによりGSTを切断して回収することで問題を改善し、十分量のタンパクを回収することが出来た。 H19-20年度にはNK1-PEによる殺細胞効果をin vitroにて膵がん細胞(AsPc-1、BxPc-3、MiaPaca-2、SUIT-2)と線維芽細胞(MRC-5)にNK1-PEを添加し(O.1ng/ml〜100・g/ml)、72時間後に生死細胞の評価(Cell Counting Kit8)を行った。当初、c-Metが高発現しているSUIT-2、AsPc-lで高い殺細胞効果が得られると考えていたが、今回行った結果は全く逆でc-Metが発現していないとされるMiaPaca-2や低発現のBxPc-3である程度の効果を確認することができた。この結果から作製したNK1-PEはc-Met以外の細胞表面上に発現している受容体に結合しPEの作用により死滅したのではないかと考えられる。しかし、その効果も現在報告されているIL4-PEなどと比べると1/100〜1/1000の効果しかなかった。PEにより殺細胞効果を上げるというハイリスクな挑戦は結果としては達成出来ず、H20年度は殺細胞物質としてのPEを電磁誘導加熱により発熱する磁性ナノ粒子に置き換え研究を進めた。
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Research Products
(4 results)