2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜乳化ナノ技術による癌透過性エマルジョンを用いた耐性阻止分子標的治療の検討
Project/Area Number |
18390360
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
江里口 正純 Showa University, 薬学部, 客員教授 (10114406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70216753)
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Keywords | 膜乳化 / WOWエマルション / 分子標的薬 / 癌治療 / DDS |
Research Abstract |
腫瘍血管透過性の高いWOWエマルションの開発を継続しつつ、本年度は、内封する分子標的薬の探索も行った。まず、我々は、OxaliplatinおよびCisplatinに感受性のある胃癌細胞株MKN45と耐性細胞株MKN78におけるDNAマイクロアレイ解析を行い、耐性細胞株においてTubulin specific chaperone E (TBCE)遺伝子とCBP/P300-interacting transactivator (CITED2)遺伝子の発現が著明に亢進していることを見出した。さらに、卵巣癌Oxaliplatin耐性細胞株KF-Rにおいても感受性細胞株KF-1よりも上記の遺伝子の発現亢進を認めた。さらに、KF-Rにおいてこれらの遺伝子のsiRNAを用いて遺伝子をknock downした場合、感受性細胞株のIC50濃度のOxaliplatinを反応させても、細胞増殖抑制を認め、感受性の改善を認めた。すなわち、TBCE遺伝子とCITED2遺伝子はExfluxトランスポーターの薬剤耐性遺伝子である可能性が示唆された。 さらに我々は、転移を誘導するケモカインに関して、卵巣癌、メラノーマ、胃癌、膵臓癌ではSDF-1-βの発現増加傾向を認めた。ケモカインレセプターに関しては、卵巣癌ではCCR6、CCR10、メラノーマではCCR6、膵臓癌ではCCR10、CCR5の発現傾向を発見した。さらに胃癌細胞株MKN74, KATO-IIIにおいてELISAを用いた解析にて認め、MIP-1αの分泌は無く、癌組織周辺において浮腫状況を形成し、容易に転移ができる状況を自ら作り出していくものと思われた。また、MIP-1αの分泌が抑制されていることにより、樹状細胞の遊走は起こりにくく、腫瘍免疫からのエスケープの形成している事が考えられた。
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Research Products
(16 results)