2006 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肝不全治療のための埋め込み型人工肝臓の開発および腎臓の肝臓化
Project/Area Number |
18390371
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢永 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70220176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 雄二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40212831)
松浦 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30199749)
柴 浩明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40366240)
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Keywords | 埋め込み型人工肝臓 / RFB / 肝臓オルガノイド / 凍結保存 / 体外循環 |
Research Abstract |
平成18年度研究実績報告 本研究の最大の目的は、肝硬変に代表される慢性肝不全治療のための埋め込み型人工肝臓の開発および腎臓の肝臓化である。最終的には、切除肝のヒト肝細胞(肝組織)を利用した埋め込み型人工肝臓も見据えている。基本的にはわれわれの施設で開発した培養液を中心部に放射状に灌流し、酸素・栄養素の偏向を少なくすることで肝細胞の高密度・大量培養を可能したラジアルフロー型バイオリアクター(RFB)を用いた。本年度の研究の概略は、以下の三点である。 1)RFBを用い、相澤らが開発した生体で溶解されやすく、気孔率も98%以上のアパタイトファイバースキャホールドを利用し、マウス化肝細胞(IMH4不死)と不死化内皮細胞(M1)、不死化伊東細胞(A7/E28)をRFBにて混合培養した。培養された組織片は類洞様構造を示し、内皮細胞表面には飾板状の小孔を認め、肝臓オルガノイドとしての形態を呈した。次にこれらが移植可能か、ヌードマウスの体網および左腎皮膜下に移植した。8週後の観察では、それらの生着を確認した。分子細胞学的にはConnexin26,32、HNF4、G6Pの発現が増強し、さらに大網内移植群では、albumin、TATの発現増強を認めた。現在、Thioacetamide (TAA)投与マウス肝硬変モデルを用いた移植実験が進行中である。 2)ヒト正常肝細胞であるHC cellsを大日本製薬から購入し凍結保存実験に用いた。プログラムフリーザーを使わずに細胞の緩速凍結が可能なBICELLを用い、セリシンという蚕の繭にふくまれる天然タンパクを加えた凍結保存法を行い、良好なviabilityを得た。現在RNAを抽出し、機能解析中である。 3)ブタ急性肝不全モデルを用い、RFBシステムを用いた体外循環実験を行い、治療効果は確認されたが、充填細胞を含め、さらに改良を加え進行中である。
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