2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋芽細胞移植により誘導される心筋再生因子の同定と治療応用に関する実験的研究
Project/Area Number |
18390376
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30263247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20314312)
西村 元延 鳥取大学, 医学部, 教授 (90291442)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60437316)
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Keywords | 虚血性心筋症 / 心筋リモデリング / midkine / 心筋再生 |
Research Abstract |
当科ではこれまで心筋梗塞モデルラットに対し、筋芽細胞針移植、筋芽細胞シート移植施行してきた。その結果、筋芽細胞針移植より筋芽細胞シート移植の方に心機能改善効果を認めた。Affymetrix社Rat 230-2 arrayを用いて筋芽細胞シート移植により高く発現する遺伝子を解析した。さらに、奇形腫に高頻度に発現する遺伝子、胎生期に高度に発現する遺伝子を解析した。以上の3つに共通する遺伝子群を`障害心機能改善に関与し、心筋細胞を再生させる可能性のある遺伝子群'として抽出した。12遺伝子群が発見され、その一つにすでに梗塞後心機能を改善させる遺伝子として'Nature'ら出版されているthymosinが含まれていたため、解析の信ぴょう性は高いと判断し、残りの遺伝子群からpleiotrophin, midkineを選択した。 Midkine, pleiotrophinは、胎児期に発現する蛋白質で、出世以後、すみやかに消退する。しかし、成人期には、様々な腫瘍において、高度に再発現することが報告されている。これらの蛋白質は、腫瘍内で、細胞増殖作用、血管新生作用を有し、腫瘍細胞の増殖に関与している。一方で、障害神経内にも高発現しており、障害神経の修復、進行抑制にも関与することがわかっている。 我々は、このmidkine, pleiotrophinの障害心における発現を調べるため、心筋梗塞後のmidkine, pleiotrophinの発現をRT-PCRにて解析した。その結果、pleitotrophinでは、梗塞後4日目、midkineは梗塞後7日目にupregulationされていることをつきとめ、修復過程になんらかの関与をするものと考えられる。
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