2008 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器悪性腫瘍(肺癌および中皮腫)の生物学的性格に基づく新規診断・治療戦略の構築
Project/Area Number |
18390382
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
平野 隆 Tokyo Medical University, 医学部, 准教授 (30238381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 達夫 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40317847)
川上 隆雄 東京医科大学, 医学部, 客員准教授 (40366117)
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Keywords | 呼吸器悪性腫瘍 / 肺癌 / 中皮腫 / 早期発見 / バイオマーカー / チロシンキナーゼ阻害剤 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
1.早期発見をめざした原発性肺腺癌バイオマーカー探索:12症例の肺腺癌切除組織と切除肺の正常部位を短期培養し、その培養上清をサンプルとした2次元電気泳動法(2DE)→質量分析(MS)解析を行った。肺腺癌組織-正常肺組織間で発現量に有意差(ρ<0.05)を認め、かつ平均値で2.5倍以上の差がある2DEゲル上のスポット44スポットを肺腺癌バイオマーカー候補とした。このうち2次元電気泳動ゲル上から切り出すことが可能であった34スポットでMS解析が可能であった。解析した全スポットで蛋白質分子の同定が行われ、そのなかにサーファクタント関連蛋白質(SpA)や以前私達が報告した原発性肺腺癌関連蛋白napsin A (TAO2)が含まれた。 2.中皮腫と肺腺癌の培養細胞間の比較解析<培養細胞をサンプルとした解析>両者間で発現量に有意差(p<0.05)があり、かつ平均値が2.0倍以上の2DEゲル上の64スポットを候補とした。このうち58スポットをゲルから切り出しMS解析を行った。解析した全スポットで蛋白質分子の同定が可能であった。 3.中皮種と肺腺癌の培養細胞間の比較解析<培養上清をサンプルとした解析>両者間で発現量に有意差(p<0.05)があり、かつ平均値が2.0倍以上の2DEゲル上の14スポットを候補とした。全スポットでMS解析を行い、解析した全スポットで蛋白質分子の同定が可能であった。 4.肺腺癌の分子標的治療薬チロシンキナーゼ阻害剤gefitinibは変異型EGFRの発現する症例に極めて有望な治療薬である。変異型EGFRが発現する肺腺癌培養細胞株PC9にgefitinibで処理することでチロシン含有蛋白質のリン酸化に影響のある2次元電気泳動ゲル上の21個の蛋白質スポットを検出し、MS解析で蛋白質分子の同定を行った。
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[Presentation] バイオマーカー蛋白質の開発に向けた液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析データの統計解析手法の改良とその応用2008
Author(s)
川上隆雄, 荻原淳, 和田計也, 高見幸子, 永坂恵子, 尾辻真紀子, 田中直樹, 齋藤実, 秋元信吾, 加藤治文
Organizer
第4回日本臨床プロテオーム研究会, シンポジウム1「非癌領域」
Place of Presentation
大阪
Year and Date
2008-05-10