2006 Fiscal Year Annual Research Report
無頸動脈狭窄症に対する内科治療と外科治療(CEA/CAS)の無作為臨床試験
Project/Area Number |
18390391
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (70125269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 直也 富山大学, 助教授 (30178157)
久保 道也 富山大学, 助手 (10234486)
林 央周 富山大学, 附属病院, 講師 (50283073)
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Keywords | carotid artery / sever stenosis / asymptomatic / medical treatment / CEA / CAS / result / prospective study |
Research Abstract |
近年本邦でも注目されている頸動脈アテローム血栓症病の中で、特に治療選択について異論の多い無症候性高度狭窄病変(全く脳梗塞症状を示すことなく発見される病変)に焦点をあてる研究である。内科治療と外科治療、(内膜切除術:CEAおよび血管内治療CAS)の臨床評価を明らかにし、その結果を基に、本疾患領域における本邦独自の診療ガイドライン作成を目的とする。 研究開始に先立ち、先行研究であった「Japan Carotid Atherosclerosis Study(JCAS)」の長期追跡成績の分析、評価を行った。無症候性高度狭窄症260例で、治療開始後2年以内の頸動脈病変由来の脳卒中発作は、内科治療群で6.7%、CEA/CAS治療群で2.2%であった。さらに心疾患による死亡例が10%を越える高率で見られた。この結果は、頸動脈狭窄病変の治療は、単一疾患としてではなく、全身動脈硬化性病変と考えての対応が必要であり、特に内科治療薬の選択の重要性が示唆された。この結果を重視し、本研究では全国多施設の研究協力者会議を複数回開催し、慎重に治療計画の立案を進めた。その結果、当初計画した多施設共同、無作為臨床試験(RCT)の実施プロトコールについては、意見を集約することは現状では不可能と判断し、「前向き観察研究」として計画を変更し、実施することとした。研究対象症例は頸動脈エコーで50%以上の狭窄例とし、登録症例1000例(内科治療・外科治療各500例)を目標に、平成19年4月1日の登録開始の計画で準備を進めている。計画内容は当初案と異なるものとなるが、登録症例を大幅に増加することで、目的達成に資するデータ集積、成果を追及する。
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Research Products
(5 results)