2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390397
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
滝 和郎 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70144368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 聡 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50252367)
阪井田 博司 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40273362)
當麻 直樹 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80362341)
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Keywords | 脳動脈瘤 / 血管内治療 / デバイス / コイル / ステント / 生理活性物質 |
Research Abstract |
脳動脈瘤コイル塞栓術の問題は、動脈瘤内にコイル塞栓子を挿入する充填法であるがゆえに、動脈瘤の形態に制限され、初期治療で完全閉塞が得られない症例があること、特に動脈瘤の入口部の閉塞が不完全のため、再発の頻度が少なくないことである。これらの問題を解決するため、本研究では、あらゆるタイプの動脈瘤を安全かつ確実に治療するために、生理活性物質やナノテクノロジーを用いた全く新しい発想の新規デバイスの開発研究を行った。 ヘパリン様活性をもつ多糖類を繊維状に加工しテネイシンと結合させたものをcoil中空に固定し、それをラットの総頚動脈を結紮し盲端にした動脈瘤モデルに留置し、組織反応を検討した。結果は早期の器質化が得られ結果は良好である。また、市販のED coilの中空に加工糸を固定したものを作成し、同様にテネイシンと結合させたものをラビットのエラスターゼ動脈瘤あるいは総頚動脈結紮モデルに留置し、血管内腔の早期器質化が確認できた。 巨大脳動脈瘤治療用カバードステントをラビットに留置し、血管の閉塞および、母血管への影響について検討を行った。短期経過(2週間)にておいては、内腔の閉塞あるいは狭窄は全く見られず、また分岐血管は完全閉塞しており良好な結果が得られた。また、電子顕微鏡で観察した結果、ステントストラットの露出は全くなく、血管内皮が全面を覆っている。長期経過(6カ月)においても同様の所見が得られており、結果は良好である。開発されたcovered stentは動脈瘤への血流を遮断可能であると同時に、母血管のpatencyも保たれ、血管内皮がカバー全面を覆うことが確認でき、脳動脈瘤治療用カバードステントして十分な機能性を持つことが確認できた。
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