2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経移植・再生治療における核磁気共鳴装置を用いた細胞・分子追跡システム
Project/Area Number |
18390399
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊田 健一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (90332725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 淳 京都大学, 医学研究科, 講師 (10270779)
三木 幸雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (80303824)
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
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Keywords | 細胞分子イメージング / 細胞移植治療 / 脳虚血 / 頚動脈狭窄 / 内皮前駆細胞 / 骨髄 |
Research Abstract |
1)ラット骨髄由来血管内皮前駆細胞(EPC)の培養・大量調整およびcharacter解析:ラツト下腿骨髄より採取した骨髄単核球成分をフィブロネクチンでコーティングした培養皿の上でVEGF等の栄養因子を添加した専用培地で4日間培養し、非付着細胞を除いた上でさらに7-10日培養することで敷石状配列を呈し第8因子を発現する細胞を得ることができる。これらの細胞はWestern blottingによりヒト血管内皮細胞(HUVEC)、平滑筋細胞(AoSMC)との比較においてTie-2,Flk-1,vWF, CD31などの内皮マーカーを発現しIsolectinB4と結合能を有しアセチルLDLの取込み能を有していた。2)ラット脳虚血モデルでの検討:専用の動脈閉塞用チューブを用いて90分間の中大脳動脈閉塞を行いTTC染色により梗塞巣体積を評価した。EPCを脳梗塞直後に投与することにより投与後24および48時間後の梗塞体積、神経学的後遺症を減じた。EPC投与により梗塞巣への炎症細胞浸潤が抑制され、脳血流維持がなされた。またEPCはIGF-1,VEGFは発現しないがeNOSを発現しており脳虚血軽減に寄与したものと考えられた。本成果は2006年Publicationされた。さらに本年度から再生医科学研究所の協力により同一個体でラットのMR撮像、Autoradiographyによる脳血流代謝が可能となり、脳虚血モデルおよび脳腫瘍モデルを用いて撮像が順次進行中である。また細胞のMR標識として、当初USPI0を計画していたが、SPI0の法が細胞内導入高率が高いことが判明したため、これにより投与するEPCや腫瘍細胞を標識している。3)ラット頚動脈狭窄(バルン障害)モデル、脳腫瘍モデルの作成:MRを用いた細胞・分子追跡システムは頚動脈狭窄モデル、脳腫瘍モデルに対するEPC投与にも応用しつつある。頚動脈モデルにおいてはEPC投与により逆に狭窄度は悪化した。この原因については、EPCの分化調節が関与していると考えられるが、現在検討中である。
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Research Products
(2 results)