2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍における非侵襲的生体画像による個別化最適治療戦略
Project/Area Number |
18390401
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
峯浦 一喜 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (70134103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹島 浩泰 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (80196188)
大和田 敬 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80332948)
川辺 拓也 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10360033)
栗岡 宏樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (30405295)
宮本 淳一 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10453094)
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Keywords | 脳腫瘍 / PET / F-18 fluorodeoxyglucose / 特異診断 / 非腫瘍性病変 / 循環代謝 / 局在診断 / 腫瘍進展様式 |
Research Abstract |
本研究ではMRIなどの形態学的画像に加えて,PETを用いて循環代謝面からの質的な腫瘍特性を明らかにして,早期診断および選択的治療の確立を目指している. 脳腫瘍の特異的PET所見は,非腫瘍性病変と比較して持続的に酸素代謝が低下し,11C-methyl-L-methionine(11C-Met)などのアミノ酸トレーサーが集積することが特徴であった.一方,非腫瘍性病変はアミノ酸トレーサーが集積するなど腫瘍所見と類似する時期があるが,病期や治療によって変動することが特徴であり,経時的PET検査の有用性が示唆された. 18F-Fluorodeoxyglucose(FDG)は腫瘍悪性度を評価する.しかし,悪性脳腫瘍ではFDGの取り込みが灰白質と同程度で,不明瞭な集積像であり,集積パターンによる解析が必要である.灰白質などの脳組織のFDG集積を減少させて腫瘍描出を増強させる一方法として,運動などによって筋肉など他組織でのFDG消費の増加を試みている.運動によって脳から他組織への糖代謝シフトが認めるが,運動の種類や巧拙によって脳機能部位の活性化が多彩であり,今後のさらなる検討が必要である. 18F-Fluorodopa(DOPA)はドパミン細胞シナプス前機能を定量評価する部位特異性トレーサーである.基底核部近傍腫瘍におけるDOPAの応用は,基底核部DOPA集積パターンに基づいて腫瘍の圧排性および浸潤性伸展が判別できる.圧排性腫瘍では変形および伸展像,浸潤性では拡散パターンが特徴である. 今後,腫瘍特異的なトレーサーが望ましいが,早期の効果的な臨床遂行には,現在の生理的トレーサーの特徴を活かしながら,目的に応じて経時的または多種類のトレーサーによるPET所見と質的診断および治療方法との関連に関する臨床知見の解析が重要である.
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