2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生因子抑制による脳硬膜動静脈瘻の治療に関する研究
Project/Area Number |
18390402
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
榊 寿右 Nara Medical University, 医学部附属病院, 病院長 (20118029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中瀬 裕之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10217739)
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Keywords | 脳腫瘍 / 免疫治療 / 樹状細胞 / 養子免疫療法 / インターフェロン |
Research Abstract |
本研究の目的は、「硬膜動静脈瘻の病因・病態の解明を発展させ、特に抗血管新生因子による治療について」の検討である。本年度は昨年度に続き、脳静脈還流障害における脳由来神経栄養因子Brain-Derived Neurotrophic Factor(BDNF)の神経保護作用(脳静脈梗塞縮小ならびにアポトーシス抑制効果)につき検討した。Wister Rat(オス・250g前後)を包水クロラール腹腔内投与で麻酔。気管内挿管し、人工呼吸器にて呼吸管理を行う。隣接する脳皮質静脈を光凝固法にて閉塞ローズベンガル溶液(50mg/kg)を静脈内投与し光照射(540nm)し、ラット脳静脈虚血モデルを用いて、BDNF投与群(A群)とcontrol群(B群)に分ける。腹腔内、大腿静脈内、尾動脈内にtubeを留置。Stereotactic frameにラット頭部を固定。開創し、burrholeを作成(bregmaの1.6mm外側・0.8mm尾側)。Osmic mini pumpを用いて、A群ではBDNF(合計30μg)を、B群ではPBSのみを最大7日間持続脳室内投与した。終了後に閉創し抜管。以下の検討を行った。(1) 2-VOの48時間後にTUNEL染色で評価(2) 2-VOの7日後にHE染色で梗塞巣の大きさを検討。その結果、(1) BDNF脳室内投与は、局所CBFや生理学的dataに影響を与えなかった。(2) BDNF投与により、2-VO 7日後の静脈梗塞巣は有意に縮小した。(3) 2-VO 48時間後のTUNEL陽性細胞数は有意に減少した。以上より、BDNF脳室内投与により局所CBFは影響を受けることなく、脳静脈梗塞は有意に抑制され、その機序の一つとしてアポトーシスの抑制が示唆された。
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Research Products
(5 results)