2007 Fiscal Year Annual Research Report
頚部内頚動脈及び頭蓋内脳血管の狭窄性動脈硬化病変進展抑制に関する研究
Project/Area Number |
18390403
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小川 彰 Iwate Medical University, 医学部, 教授 (10204067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 若手医科大学, 医学部, 准教授 (00305989)
井上 敬 若手医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70326651)
吉田 研二 若手医科大学, 医学部, 助教 (10316367)
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Keywords | 動脈硬化 / 頸部頚動脈狭窄 / 脳動脈狭窄 / 酸化ストレス / フリーラジカル / MRI / 形質転換 / 転写因子 |
Research Abstract |
頭頚部の狭窄性動脈硬化病変に対し、血管平滑筋細胞の脱分化や、酸化ストレスがもたらす病態解析した。頸部内頚動脈狭窄症患者の血栓内膜剥離術に伴い、術中の虚血・再潅流が術後の認知機能障害発生に関連し、再潅流後の過灌流が誘因であることを確認した、術中の頸静脈血を解析したところ、malondialdehyde-modefide low-densitylipoproteinの生成が術後の過灌流及び認知機能障害に有意に相関していることを確認した。さらに解析を進め、血流遮断・再潅流に伴って生じる酸化ストレスすなわちフリーラジカルの生成が原因であることを突きとめた。これら傾向は、狭窄性病変が高度で側副血行が乏しい、すなわち脳循環予備能が低下している患者に顕著であり、酸化ストレスが術後の認知機能障害に重要に関連していることが確認できた。また、これら脳循環予備能の低下は今までおもにsingle-photon emission CTやSPECTで検討されていたが、新たに我々は、MRIのperfusion-weighted imagingが、その予見に有用であることを見いだした。 動脈硬化性病変の組織学的検討では、病変部の新生内膜平滑筋細胞において、平滑筋細胞の分化マーカーであるカルポニン及びα smooth muscle actinが有意にdown regulationを示していた。平滑筋細胞自体が、より未分化な状態への変化、いわゆる脱分化型平滑筋細胞へ形質転換し、獲得された増殖能・分泌能が狭窄性病変の進行に重要に関連する可能性が示唆された。血管平滑筋細胞の形質転換に至る転写機構の解析では、Myocardinのdown regulationと細胞内局在変化を認めた。上記血管平滑筋細胞の形質転換は分化特異的転写調節の変化によりもたらされていることが示唆された。
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Research Products
(41 results)
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[Presentation] 脳循環代謝とEBM2007
Author(s)
小川 彰
Organizer
第19回日本脳循環代謝学会総会
Place of Presentation
盛岡市
Year and Date
2007-10-25
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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