2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390412
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 淳正 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40176681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠崎 克之 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (30177993)
松峯 昭彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00335118)
明田 浩司 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (20422826)
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Keywords | 骨転移 / 磁性体温熱療法 / 光線力学療法 / 抗トロンビン薬 / デコイ / QOL / 乳ガン細胞株 |
Research Abstract |
四肢や骨盤部および肩甲帯に発生する転移性骨腫瘍に対して低侵襲で有効性の高い治療法の開発は進行期の癌患者のQOLを高めるのに重要である。そのため、磁性体温熱療法およびアクリジン光線力学療法の有効性を検討した。 磁性体温熱療法を転移性骨腫瘍患者17人18肢(男性9人、女性8人)に行った。原発がんは肺癌3人、軟部肉腫3人、肝癌2人、腎癌2人、その他7人で、転移部位は上腕骨7例、大腿骨5例、脛骨2例、その他4例である。術後患肢機能評価(MSTS評価法)は良好で、特に合併症は認めなかった。X線評価でも骨転移部位の安定性は極めて良好でコントロール群に比較して有為にすぐれていた。アクリジン光線力学療法を併用することにより極めて低侵襲で安価で安全性の高い治療が可能であることが示された。 一方、抗トロンビン薬であるアルガトロバンの骨転移抑制効果も動物実験で確認された。このことは、現在承認されて一般的に使用されている薬剤の中に骨転移を抑制する効果を有するものが存在することを示唆している。さらに、NFkBデコイをヒト乳ガン細胞株(MDA231)に導入することに成功し、その細胞特性の検討を開始した。このことにより骨転移機序の解明から新しい転移治療薬の開発研究が可能となってきた。
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