2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18390412
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
内田 淳正 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40176681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠崎 克之 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (30177993)
松峯 昭彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00335118)
明田 浩司 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20422826)
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Keywords | 骨転移 / 磁性体温熱療法 / 遺伝子治療 / 光線力学療法 / デコイ |
Research Abstract |
四肢に発生する転移性骨腫瘍対して低侵襲で有効性の高い治療法の開発はQOLを維持するのに重要である。独自に開発した磁性体温熱療法およびアクリジン光線力学療法を併用する治療法の有効性を検討した。 磁性体温熱療法を転移性骨腫瘍患者21人23肢(男性10人、女性11人)に行った。手術時年齢は27歳から80歳、中央値は63歳である。原発がんは肺癌3人、軟部肉腫3人、肝癌3人、腎癌3人、乳癌2人その他7人で、転移部位は上腕骨10例、大腿骨8例、脛骨4例、腓骨1例である。経過観察期間は3ヶ月から60ヶ月、中央値は10ヶ月であった。術後患肢機能評価(MSTS評価法)は上肢で81%、下肢で76%であった。温熱負荷時に軽度の疼痛を認めた以外に合併症は認めなかった。X線評価でも豊富な骨形成がみられ、骨転移部位の安定性は極めて良好で、85%で良好以上、35%で極めて優れていた。手術のみのコントロール群に比較して有為にすぐれ、放射線併用群と統計学的に同等あるいはそれ以上の効果を示した。磁性体温熱療法にアクリジン光線力学療法を併用することにより極めて低侵襲で安価で安全性の高い治療が可能であることが示された。 動物の骨転移モデルにおいて、骨転移を来たした骨や後根神経節でカプサイシンの受容体が亢進していることが明らかとなった。H2ブロッカーが受容体の発現を抑制することが示され、今後の疼痛対策に応用できる可能性を示唆した。
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