2008 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞シグナリングとマトリックス転写制御による軟骨形成・分化の解明
Project/Area Number |
18390415
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
妻木 範行 Osaka University, 医学系研究科, 独立准教授 (50303938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
岡本 美奈 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (50457008)
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Keywords | 軟骨発生 / 内軟骨性骨化 / トランスジェニックマウス / コラーゲン / 骨形成因子 |
Research Abstract |
骨形成因子(BMP)は軟骨形成に必須である。BMPの細胞内シグナルは、主にSmad経路が伝達し、Smad6/7はこの経路を抑制する。またBMPはMAP kinase(MAPK)経路も活性化する。本年度はBMPによって誘導される軟骨形成におけるSmad6/7の役割を解析した。[方法]凝集間葉系細胞と軟骨細胞に特異的にSmad6、Smad7を過剰発現させたトランスジェニックマウス(Tg)を作製した。胎生12.5日のマウス肢芽間葉系細胞を調整し、BMP2存在下でmicromass培養を行い軟骨様結節を誘導した。この結節形成はTGF-b inhibitorであるSB431542を添加しても抑制されず、BMPで誘導されたと考えた。[結果と考察]Smad6 Tgでは軟骨は形成されたが、Smad7 Tgでは軟骨の形成が抑制された。micromass培養において、Smad6 Tgの肢芽間葉系細胞ではBMPで誘導される軟骨様結節が正常に形成された。一方、Smad7 Tgの肢芽間葉系細胞ではこの結節形成が著しく障害され、Sox9の発現が低下していた。BMPで誘導される軟骨様結節の形成は、MAPキナーゼ経路の阻害剤を加えた場合に抑制されたことから、この形成にはMAPK経路が関与すると考えた。MAPK経路のdownstream targetであるATF2のリン酸化は、アデノウイルスを用いたSmad7の過剰発現によって抑制されたが、Smad6の過剰発現では抑制されなかった。これらの結果から、Smad7はMAP kinase経路を抑制することで、BMPによって誘導される軟骨様結節の形成を阻害すると考えた。[結語]Smad7の過剰発現によりTgの軟骨形成は阻害される。その原因として、BMPによって活性化されるMAPK経路のSmad7による抑制を考えた。
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[Journal Article] Characteristics of fracture and related factors in patients with rheumatoid arthritis.2008
Author(s)
Nampei, A., Hashimoto, J., Koyanagi, J., Ono, T., Hashimoto, H., Tsumaki, N., Tomita, T., Sugamoto, K., Nishimoto, N., 0chi, T., Yoshikawa, H.
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Journal Title
Mod. Rheumatol. 18
Pages: 170-176
Peer Reviewed
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