2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん・肉腫幹細胞を標的とした新規治療法の開発-治療抵抗性肉腫の克服を目指して
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18390419
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小宮 節郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横内 雅博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80359976)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40423727)
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Keywords | 骨肉腫 / がん幹細胞 |
Research Abstract |
今回は新たに骨軟部悪性腫瘍細胞株中に、がん幹細胞様の性質を持つ細胞集団を発見した。【方法】骨肉腫細胞株及び軟部肉腫細胞株を2つの細胞集団、main-population(MP)細胞とsmall-population(SP)細胞に分離してヌードマウスに移植し、悪性腫瘍形成能を検討した。さらに移植後腫瘍形成部より再度細胞を培養し、二次腫瘍形成能力を検討した。またSP細胞を培養し自己複製能等幹細胞様の性質の有無を検討した。【結果】SP細胞群はMP群と比較し、腫瘍形成能が高いことを見出した。また、SP細胞から形成された腫瘍のみ二次腫瘍形成能力を認めた。さらに、SP細胞から形成された腫瘍細胞を再度培養するとSP細胞とMP細胞が出現しており、SP細胞は、自己複製能と分化能を有することが判明した。【考察】骨軟部悪性腫瘍中からのがん幹細胞同定の報告は未だ見られない。以前我々はヒト骨肉腫細胞株であるSaOS2とU2OS中には、がん幹細胞様細胞であるcancer SPが存在しないことを報告した。今回、我々は他系統の細胞株を用いて解析方法を改良することでがん幹細胞様細胞をヒト骨軟部悪性腫瘍から精製することを可能とした。この手法はがん幹細胞をターゲットとした骨軟部悪性腫瘍治療法の開発に有用であると考えられる。
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Research Products
(1 results)