2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成制御の細胞内シグナル伝達系におけるクロストークの解明と骨再生への応用
Project/Area Number |
18390421
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小池 達也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50271177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80245802)
脇谷 滋之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70243243)
高岡 邦夫 大学院医学研究科, 教授 (30112048)
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Keywords | BMP / cAMP / シグナル伝達 / CREB / PTH |
Research Abstract |
BMPシグナル伝達系とcAMP系との関係を明らかにするため、筋芽細胞由来の未分化間葉系細胞であるC2C12細胞を用い、BMP-4あるいはdibutyryl-cAMP(dbcAMP)を添加後のALP活性を測定し、同時にPKA inhibitorによる抑制効果の有無を検討した。BMP-4によるALP活性の上昇は、dbcAMPにより増強され、この効果はPKA inhibitorにより抑制された。cAMPによるProtein KinaseA系を介したBMP骨分化促進作用の増強効果が確認された。 次にcAMPによる転写調節レベルでの作用を明らかとするため、human Id1のpromoter上におけるBMPresponsive element(BRE)とそれに隣接するcAMP response element(CRE)に着目した。 BRE、CREのそれぞれ単独あるいは両者に変異導入したコンストラクトを作製し、各コンストラクトを細胞に導入後に、BMP-4・dbcAMP添加刺激を行い、ルシフェラーゼ活性を測定した。cAMP応答領域の変異導入において、BMP応答領域を介したBMP活性のcAMPによる上昇が抑制された。つまり、cAMPはBMPの転写活性をCREを介して増幅していた。 さらに、転写調節レベルにおいて、BMP及びcAMPからのシグナル伝達を担うタンパクであるSmadsとCRE binding protein(CREB)の相互作用をco-factorの存在を含めて調べるため、免疫沈降法を行った。免疫沈降法ではリン酸化Smad1,5,8とリン酸化CREB及びCBP(CREB binding protein)との複合体形成が認められ、cAMP signalによるBMP転写活性増幅効果の核内メカニズムとして、CBPがSmads及びCREBと複合体を形成し、co-activatorとして作用していることが判明した。
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