2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成制御の細胞内シグナル伝達系におけるクロストークの解明と骨再生への応用
Project/Area Number |
18390421
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小池 達也 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (50271177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80245802)
脇谷 滋之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70243243)
高岡 邦夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30112048)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / 骨形成因子 / cAMP / 骨芽細胞様細胞 |
Research Abstract |
PTH(Parathyroid hormone;副甲状腺ホルモン)1-34を皮下注射するとin vivoでは数十分〜数時間、血中PTHが上昇し、cAMPが上昇する。そこでまず、骨芽細胞(MC3T3E1)を用いて、PTH投与時の細胞内cAMP濃度を経時的に測定した。するとPTH単発投与時には細胞内cAMP濃度は2.5分でピークを迎え、投与後5分ではべースラインに戻っていた。このことはin vivoでcAMP濃度が数十分〜数時間上昇データに反しており、in vitroで数十分〜数時間の細胞内cAMP濃度が維持されるといったin vivoの環境を作る検討をした。その検討の結果、PTHの短時間の繰り返し投与(単発時の1/10量を3分おきに投与)、またはcAMP分解酵素(phosphodiesterases)阻害剤の添加が必要であることが分かった。PTHの短時間の繰り返し投与により細胞内cAMP濃度は約2時間維持された。また、cAMP分解酵素(phosphodiesterases)阻害剤の添加によりPTH単発投与でも、2時間以上の細胞内cAMP濃度を維持できた。そこで、このようなPTH投与法を用いて、BMP(Bone Morphogenetic Protein;骨形成タンパク)とPTHをMC3T3E1細胞に投与してALP assayを行った。BMPと細胞内cAMP濃度を一定時間維持できるPTHの投与法を同時に行うと、BMP単独投与時に比べALP活性は有意に上昇しており、細胞内cAMP濃度の一定時間維持によりBMPシグナルが増強することが確認できた。詳細な機序について現在検討中であるが、PTHがBMPシグナルを増強することが証明できた。したがって、作用機序のはっきりしないまま臨床利用されているPTHの効果発現にBMPが関与している可能性が出てきた。
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