2008 Fiscal Year Annual Research Report
N-acetyl-aspartyl-glutamateの生体内での役割
Project/Area Number |
18390426
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 達郎 Kumamoto University, 医学薬学研究部, 教授 (20200818)
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Keywords | NAAG / 脳室内投与 / 下降性抑制系 / ホルマリンテスト / ラット |
Research Abstract |
N-acetyl-aspartyl-glutamate(NAAG)は、内因性の神経伝達物質であり、グルタミン酸の代謝型受容体の一つであるmGluR3の作動物質である。またNAAGは、 NAAG peptidaseによりN-acetyl-aspartateとグルタミン酸に分解される。従って、分解されると更にグルタミン酸を産生するためNAAG自体の効果を検討するためにはNAAG自体を投与するよりもNAAGの分解を抑制し、組織内のNAAG量を増加させることが有効であると考えられる。mGluR3の作動薬は鎮痛効果を持つことが報告されている。さらにNAAG peptidase inhibitorは髄腔内投与、全身投与で鎮痛効果を示すことを報告してきた。NAAGは中脳水道周囲に発現していることが知られている、従って、NAAGが脊髄より上位で侵害刺激伝達に関与している可能性もあると考えられる。今回はNAAG peptidase inhibitorを脳室内へ投与し、その鎮痛効果検討した。疼痛モデルとしては、ラットホルマリンテストを用いた。NAAG peptidase inhibitorとしては、ZJ43と2-PMPAを用いた。 ZJ43,2-PMPAは共に投与量依存性の鎮痛効果を示した。この効果は、mGluR2及びmGluR3の拮抗薬であるLY341495にて完全に拮抗できた。従って、NAAG peptidase inhibitorはmGluR3を介して鎮痛効果を発揮している可能性が高いことが示唆された。 これらの結果から、NAAGは上位中枢でも侵害刺激伝達の調節に関与していることが示された。
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Research Products
(3 results)