2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を用いた好中球ミエロペルオキシダーゼ活性阻害による虚血再灌流傷害の防止
Project/Area Number |
18390428
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒井 俊之 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (80175950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 浩平 京都大学, 医学研究科, 助教 (80402858)
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Keywords | ヒト臍帯静脈内皮細胞 / インターロイキン-8 / RNA干渉 / siRNA / リアルタイムPCR / フローサイトメーター / 蛍光試薬DCFH / 活性酸素 |
Research Abstract |
昨年度はRNA干渉を用いた好中球ミエロペルオキシダーゼ活性阻害による虚血再灌流傷害の防止を検討したが、siRNAにより好中球における活性酸素産生を抑制することはできなかった。そこで本年は虚血再灌流傷害において傷害を受ける側の血管内皮細胞に注目し、以下の研究を行った。 1.ヒト臍帯静脈内皮細胞(Human Umbilical Vein Endothelial Cells,HUVECs)と活性酸素 HUVECsは種々の刺激で活性酸素を産生することが知られている。そこで今回は好中球が出すインターロイキン-8(IL-8)に着目し、HUVECsにIL-8を負荷した場合、活性酸素を産生するか否かをフローサイトメーターと活性酸素検出用蛍光試薬DCFHを用いて検討した。結果、IL-8負荷により活性酸素産生がみられたので、このIL-8産生をsiRNAを用いて抑制できるか否かを検討した。 2.siRNAの配列設計と合成 HUVECs IL-8をノックダウンするためのsiRNA(ポジのsiRNA)の配列を決め、合成を行った。同時にRNAi効果を持たないネガティブコントロール用のsiRNA(ネガのsiRNA)も合成した。 3.siRNAのHUVECsへの導入 昨年度好中球へのsiRNA導入で用いた遺伝子導入システムを使用し、電気刺激による導入を行った。 4.遺伝子ならびに蛋白レベルでのRNAi効果の確認 HUVECsに導入したsiRNAがRNAi効果を発揮したか否かを遺伝子ならびに蛋白レベルで確認するため、IL-8のmRNAならびに蛋白の発現量の低下をリアルタイムPCRならびにELISAを用いて測定した。結果ポジのsiRNAを導入したHUVECsでは、mRNAならびに蛋白の発現量が低下していた。 5.活性酸素測定による表現形レベルでのRNAi効果の確認 ポジまたはネガのsiRNAを導入したHUVECsの活性酸素産生能を評価した。菌由来のlipopolysaccaride (LPS)をHUVECsに負荷した場合活性酸素が産生されるが、ポジのsiRNAを導入したHUVECsでは、活性酸素産生能が低下した。
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Research Products
(5 results)