2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性タバコ喫煙による気道過敏性亢進モデルを用いた麻酔薬の影響と機序の解明
Project/Area Number |
18390431
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山蔭 道明 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (70285005)
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Keywords | 異種卵白抗原 / 気管平滑筋 / 気道過敏性 / 静脈麻酔薬 / 吸入麻酔薬 |
Research Abstract |
前年度より引き続いて行ってきた長期タバコモデルにおける吸入麻酔薬の反応性の相違について研究を終了した。現在は,気道過敏性モデルとして,異種卵白抗原であるオバラミンで感作したモルモットを用い,吸入麻酔薬セボフルランとイソフルランの高濃度急激暴露の影響を観察している。一般的に吸入麻酔薬は強力な気道平滑筋弛緩作用をもち,内科治療抵抗性の喘息重積発作に用いられるほどである。しかし,ある種の吸入麻酔薬には気道刺激性が高いものもあり,吸入麻酔による麻酔導入法では,喘息発作あるいは喉頭痙攣を誘発する可能性がある。昨年度は,どのような吸入麻酔薬にそのような作用が強いのかを観察し,それがどのような機序によって起こるのかを解明してきた。現在,本邦では吸入麻酔薬デスフルランの臨床治験が順調に進んでいる。 本薬剤は,セボフルランはもちろんイソフルランよりも強力な気道刺激作用があることが分かっており,本モデルによる気道刺激作用の機序解明は今後の臨床使用において安全性向上に寄与すると考えられる。現時点では,気道からの迷走神経求心性細胞の活動を電気生理学的方法(パッチクランプ法)によって測定することにより,吸入麻酔薬による気道刺激作用を解明しようと試みている。具体的には,気管の内側に色素を注入し,それによって求心性に染まった細胞の電気活動を観察している。高濃度の吸入麻酔薬暴露によって,気道過敏性モデルの迷走神経求心性細胞の活動がより活発であるとするならば,それが機序の一つとなり,また臨床的にはその活動を抑制する,あるいはそこから放出されるアセチルコリンの作用を遮断するようは手段をとれば,より麻酔の安全性が向上すると考えられる。
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Research Products
(6 results)