2008 Fiscal Year Annual Research Report
水チャネル<アクアポリン>を標的とした新しい脳浮腫治療法の開発
Project/Area Number |
18390432
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
祖父江 和哉 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90264738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
杉浦 健之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20295611)
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Keywords | 中枢神経 / 脳浮腫 / アストロサイト / 水チャネル |
Research Abstract |
近年の報告や申請者の研究により、水チャネルであるアクアポリン(AQP)は、脳浮腫に深く関与している可能性が示唆されている。浮腫発生初期には、AQPの機能異常は脳浮腫の発生や進行に関与していると考えられるが、AQPの機能異常を引き起こす機序は不明であった。最近、申請者は蛋白質-蛋白質結合を行う分子RIL (reversion-induced LIM)がAQP4と結合し、AQP4の細胞内分布や機能を調節している可能性を発見した。RILは細胞骨格を形成するアクチンと結合することがすでに報告されており、おそらくRILは細胞内におけるAQP4の位置決めや膜への固定に役立っていると思われる。本研究では、AQP4とRILとの結合を詳細に検討し、AQP4の機能調節にRILが果たす役割を明らかにし、また、脳にのみ発現するRILを調節することにより、間接的にAQP4の発現分布を正常化することによる脳浮腫治療法を開発することを目的とした。抗APQ4抗体および抗RIL抗体を用いて免疫化学的に二重染色を行ったところ、アストロサイトにおけるAQP4とRILとの共存が確認できたが、共存を認めない部位も確認できており、アストロサイトの脳部位特異的機能に関与している可能性が示唆された。また、AQP4とRILの両タンパク質の部分的欠損タンパク質は、現在作成が進行しており、今後それぞれの結合部位を決定していく予定である。RILのノックアウトマウスは、現在作成準備を進めているところであり、今後も継続していく予定である。
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Research Products
(3 results)