2008 Fiscal Year Annual Research Report
尿路性器癌の抗癌剤耐性獲得における新規分子機構解明と治療法開発のための基盤研究
Project/Area Number |
18390437
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
那須 保友 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20237572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 政清 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70379840)
雑賀 隆史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10314676)
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Keywords | 薬剤耐性 / ストレス応答分子 / JNK / REIC / DKK3 / P-glycoprotein |
Research Abstract |
尿路性器癌に対する抗癌剤耐性獲得における新規分子機構としてMAPK familyのひとつでありストレス応答分子のひとつであるJNKならびにその関連分子に着目し研究を実施した。特に「薬剤耐性化関連分子とストレス応答分子とのクロストーク」としてJNK、 REIC/Dkk-3、 HSP70をはじめとするJNK関連ストレス応答分子の発現、またREIC/Dkk-3導入による耐性の克服の有無について解析した。特にがん細胞に対してアポトーシス誘導能を有するREIC/Dkk-3が耐性獲得抑制、耐性克服もしくは感受性増強のための標的となる可能性を有するか否かを解析した。すでに精巣腫瘍細胞(NCCIT)、腎癌細胞RENCAに対する解析研究を行ってきたが、発展的な研究として前立腺癌と同様に内分泌療法療法が無効となった場合抗がん剤が選択される乳癌についても研究を実施し、抗がん剤耐性化乳癌細胞へのREIC/Dkk-3導入による抗がん剤への感受性獲得を確認した。とくに、ドキソルビシン抵抗性細胞にREIC/Dkk-3導入することによりドキソルビシンの感受性が回復することを確認し、JNKの活性化が生じていることを確認した。JNKの活性化により抗がん剤耐性のkey moleculeであるP-glycoproteinの発現低下を認めた。さらにJNK阻害剤によりその効果も阻害されることをも確認した。この結果は将来の癌治療において新たな治療戦略を生み出す可能性を示唆しており、論文投稿をおこない平成20年度に採択された。
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Research Products
(3 results)