2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規超音波遺伝子導入法を用いた再燃前立腺癌に対する分子標的遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
18390439
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10243031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80285270)
邵 仁哲 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40305587)
内藤 泰行 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50405312)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
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Keywords | 超音波遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 分子標的治療 / 前立腺癌 / 再燃 / TS / DPD / TRAIL |
Research Abstract |
再燃前立腺癌に対しては、ホルモン療法・化学療法・放射線療法などによる集学的治療が試みられているが、現在のところ有効な治療はなく、新たな治療法の開発が望まれている。これに対し、前立腺癌に対する新規治療法としていくつかの遺伝子治療の臨床研究が実施されている。しかし、現時点で有効性が確認された癌遺伝子治療プロトコールは少ない。さらには、癌遺伝子治療の単独での治療効果そのものにも限界が指摘されてきているのが現状である。このような状況の中で今後癌遺伝子治療をさらに発展させるために以下のことを満たすものを検討する予定であった。 1)癌病巣に特異的に発現させることにより、より強い抗腫瘍効果を得ることの出来る分子の同定 2)標的癌病巣における高い遺伝子発現効率 3)化学療法などの集学的治療との組み合わせも可能な取り扱いの簡便性、低侵襲性と安全性 本年度は、1)について検討した。その結果、DPDとTSが同定され、特に以下のようにDPDについて深く検討した。 DPDは核酸分解に重要な酵素であると報告されている。また、抗癌剤である5-FUもこのDPDによって分解される。前立腺癌におけるDPD活性の重要性はほとんど検討されていないのが現状である。そこで今回我々は、前立腺癌におけるDPD発現を測定した。さらに前立腺癌のDPD発現と5-FUに対する感受性との相関関係も検討した。 44人の前立腺癌患者より前立腺癌組織を採取し、DPD発現を免疫組織染色法を用いて測定した。前立腺癌のDPD発現は、正常前立腺より高かった。DPD阻害剤であるCDHPにより、前立腺癌細胞の5-FUに対する感受性が増強した。 前立腺癌においてDPD発現が高く、DPDは前立腺癌の標的分子になる可能性が示唆された。また、CDHPなどのDPD阻害剤を併用することにより、前立腺癌の5-FU耐性が克服される可能性も示唆された。
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Research Products
(7 results)