2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規超音波遺伝子導入法を用いた再燃前立腺癌に対する分子標的遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
18390439
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
水谷 陽一 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (10243031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90240952)
沖原 宏治 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80285270)
邵 仁哲 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40305587)
内藤 泰行 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50405312)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10243239)
|
Keywords | 超音波遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 分子標的治療 / 前立腺癌 / 再燃 / TS / DPD / TRAIL |
Research Abstract |
再燃前立腺癌に対する分子標的遺伝子治療を開発するため、その標的となる分子として、今年度は、thymidylate synthase(TS)を同定し、以下のようにTSについて深く検討した。 TSは核酸合成に重要な酵素であるが、前立腺癌におけるTS活性の重要性はほとんど検討されていないのが現状である。そこで、前立腺癌におけるTS発現を測定し、Stage、Grade、予後との相関関係を検討した。また、TSは5-fluorouracil(5-FU)の標的分子でもある。52人の前立腺癌患者より前立腺癌組織を採取し、TS発現を免疫組織染色法を用いて測定した。前立腺癌のTS発現率は正常前立腺のTS発現率に比べて有意に高かった。T3前立腺癌のTS発現率はT2前立腺癌のTS発現率より有意に高かった。また、前立腺癌のGleason Scoreが高いほどTS発現率は高かった。TS発現を有する前立腺癌患者よりもTS発現を有しない前立腺癌患者の前立腺全摘除術後の5年生存率は有意に高かった。術前にホルモン療法を施行すると、前立腺癌のTS発現率は有意に低下した。この傾向はT2前立腺癌では認められたが、T3前立腺癌では認められなかった。また、このことはGleason Scoreに関係なく認められた。以上の結果から、前立腺癌、特にStage、Gleason Scoreの高い前立腺癌においてTS発現率が高く、TSは前立腺癌の分子標的になる可能性が示唆された。また、TS発現が前立腺癌患者の前立腺全摘除術後の予後マーカーになる可能性も示唆された。
|
Research Products
(7 results)