2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌の新しい分子標的治療開発のためのP53変異とP63,P73の機能解析
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18390442
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻木 範明 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (70153963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡利 英道 北海道大学, 大学病院, 講師 (10344508)
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Keywords | 子宮体癌 / 遺伝子変異 / p53がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
p53はヒト癌において最も高頻度に変異が見られる遺伝子である。変異p53タンパクの機能的類型は、1)野生型p53遺伝子の転写機能の喪失(loss of function)、2)野生型p53遺伝子の転写機能を阻害するドミナントネガティブ作用(dominant negative effect)、3)癌浸潤や抗癌剤耐性などの機能亢進作用(gain-of-function effect)に分けられる。体癌の26%にp53変異が認められ、p53ドミナントネガティブ(DNE)変異を持つ子宮体癌は進展しやく、有意に予後不良であることが明らかとなっている。子宮体癌に認められるp53変異の機能的類型と癌細胞の浸潤能、運動能との関連を明らかにすることを目的に以下の検討を行った。(1)野生型p53を有する体癌細胞株HHUAにDNE作用を持つ変異(R273H)と持たないrecessive変異(R213Q)を導入し、p53DNE変異が体癌の高悪性化を誘導する分子メカニズムを解明する。(2)野生型p53を欠失している卵巣癌細胞株や骨肉種細胞株にp53DNE変異を導入し、p53変異のgain-of-function作用により癌細胞の浸潤および運動能が促進されるかどうかを検討する。その結果次のことが明らかとなった。1)p53DNE変異R273Hの発現により体癌細胞株HHUAの増殖能、運動能、浸潤能が促進される。2)p53DNE変異R273Hの発現はp53を欠失している癌細胞の浸潤能および運動能には関与しない。すなわちR273Hは、gain-of-function作用ではなく、野生型p53遺伝子の転写機能を阻害し、癌浸潤抑制遺伝子Maspin,PAI-1,KAI1のmRNA発現を抑制し、体癌細胞の浸潤能および運動能を促進する可能性が高いと考えられた。R213Qには浸潤能、運動能促進作用は認められなかった。
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Research Products
(1 results)